中日ドラフト1位の高橋宏斗投手(18=中京大中京)が、新年の誓いに「球界NO・1投手」としたためた。

19年秋の新チーム結成から公式戦は無敗の28連勝。「世代NO・1投手」で卒業する。大学、社会人級とされる超高校生右腕が、ビッグな目標を胸にプロ1年目のスタートを切る。(金額は推定)

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近未来のエース候補生高橋宏が、将来の大目標をすらすらとボードに書き込んだ。19年秋の新チームから公式戦無敗の28連勝で中京大中京を卒業。プロの世界への船出に掲げたのは「球界NO・1投手」だった。

「高校時代は世代NO・1投手を目標にやってきました。プロに入ってから目標を変えようと思っていました」。高校時代にクリアした世代NO・1投手から、プロでは球界NO・1投手へ。威風堂々、18歳とは思えない落ち着きで夢を語った。

春季キャンプで披露するユニホームの背番号は、昨季限りで現役引退した吉見一起氏の「19」を継承した。「吉見さんを見習って勝利に貢献できる投手になりたい」。吉見氏は落合監督時代の10、11年のリーグ連覇時に、“負けないエース”としてチームをけん引。中京大中京で“負けないエース”だった高橋宏も、その生きざまを学び、進化成長していく意気込みだ。

与田剛監督の期待も大きい。「変化球でストライクが取れる。高校生で150キロ超の直球を投げ、同じフォームで変化球も投げられる。あの年齢でできるのはすごい。(いずれ)先発でローテに入って、将来のエースを目指してもらいたい」。中日の日本人投手最速記録157キロを持つ指揮官は、「僕の記録なんてすぐに破ってくれますよ」と笑い、2月のキャンプ1軍発進の可能性を否定しない。

「これまでいろんな人に支えてもらってここまで来られました。感謝の思いを持って、プレーで返す1年にしたいです」。最速154キロの超高校生右腕が感謝を胸に、プロNO・1投手を目指す。【伊東大介】

◆高橋宏斗(たかはし・ひろと)2002年(平14)8月9日、愛知・尾張旭市生まれ。三郷小2年から野球を始め、6年時にドラゴンズジュニアに選出。尾張旭東中では豊田シニアで、3年夏は全国16強。中京大中京では1年夏からベンチ入り。19年秋の新チーム結成から28戦負けなしで卒業。中日とは契約金1億円プラス出来高払い5000万円、球団史上新人最高年俸の1600万円で契約した。最速は154キロ。185センチ、85キロ。右投げ右打ち。

▼中日の高卒ドラフト1位投手は、20年の高橋宏まで19人いる。過去18人中13人が1年目に1軍マウンドを踏んでいるが、中でも鮮烈なデビューを果たしたのが87年の近藤真一(現真市)だ。同年8月9日の巨人戦(ナゴヤ)でプロ初登板初先発すると、なんとノーヒットノーランを達成。通算12勝に終わったものの、球史に名を刻んだ。他にも通算124勝の鈴木孝政や、ストッパーとして活躍した牛島和彦、93年に沢村賞に輝いた左腕今中慎二らがいる。