新生活も、心配ないさぁ~! 楽天ドラフト1位の早川隆久投手(22=早大)が6日、「ライオン・キング」のタオルグッズを持参し、仙台市内の犬鷲寮に入寮した。新人王筆頭候補の最速155キロ左腕はスワヒリ語で「どうにかなるさ」を意味する「ハクナマタタ」を胸に新人王を目指す。

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ハクーナマタータ♪ 熱帯のジャングルとはかけ離れた、最高気温2度の仙台。雪道をかき分けた先の新居で“心配ないさぁ~!”と叫びたいところだが「仙台のレベルにまだ適応していないかなと…」。寒さに苦笑いを隠せなかった。

“これがモットーさ!”と誇れる言葉が新生活を支える。昨年9月。東京6大学秋季リーグ開幕前に家族から白地のタオルを渡された。駆けるシンバ、ティモン、プンバァの下に「HAKUNA MATATA」。「大切にしたい言葉。家族の中でもこういう精神でいこうね、と話します」。試合時は必ずベンチに持ち込んだ。両親、姉2人が書いた「最後は笑うよ!」との言葉も励みにリーグ戦を制した。

ライオンキングを初めて見たのは3歳。劇団四季で舞台版も鑑賞した。「あまちゃんのように育てられたところもある。自分はシンバに重なるのかな」。王の息子に生まれた主人公は、気ままな子ども時代を経て苦難を乗り越え、王を継いだ。自身も高校から寮生活。強者にもまれ、たくましくなった。

シンバが「ハクナマタタ」を教わったティモンのように、早川も苦楽をともにする相棒を携えた。大学時代から愛用する東京西川の「AiRマットレス」とオーダー枕。「田中将大さんも愛用している。体のケアは一番気をつけないといけない」。“早く王様になりたい!”と意識は高い。

10日から新人合同自主トレが始まる。「ドラフト1位でもプロに入ったら横一線。楽天のエース、国を背負えるようなピッチャーになれれば」。ハクーナマタータ♪ “ルーキーキング”へ、何でもこれで解決だ!【桑原幹久】