楽天ドラフト3位の藤井聖投手(24=ENEOS)が「茂野吾郎」を目指す。

12日、仙台市内での新人合同自主トレ第1クールを終了。育成を含む新人7選手中最年長の左腕は「一番年上なので、高卒の選手にも気を使わせない環境作りをやっていきたい」と人一倍声を出し、場を盛り上げた。

趣味はアニメ鑑賞。同トレ初の休日となる13日は「ナルトにハマってます」と趣味に没頭する。最も好きなアニメは野球漫画の「MAJOR」。特に自身と同じ左腕投手で、主人公の茂野吾郎に心を打たれた。「大学時代を乗り切れたのもメジャーのおかげと言ったら大げさですけども、茂野吾郎の生きざまを見て、野球ってこういう考え方があるんだなと、すごく学びました」。

印象に残るシーンは茂野吾郎が日本代表の一員としてワールドカップ決勝で米国代表と対戦。サヨナラホームランを打たれ、悔しさのあまり野球をやめようとした。それでも学生時代の仲間が純粋に野球を楽しむ姿から思いとどまった場面だ。「本来野球は『楽しい』から始めてやっている。結果が出ないから悩むのはもったいないなと。勇気を得られました」。東洋大時代はソフトバンク甲斐野、DeNA上茶谷、中日梅津の壁に阻まれ、チャンスを得られなかった。アニメから力をもらい、社会人で花開いた。

茂野吾郎の最速は164キロとされる。最速150キロの藤井は「茂野吾郎は異次元過ぎます」と笑いながら「バッターからしっかりと三振をとれるようなパワーピッチャーになりたい。同じピッチャーなので、茂野吾郎のようになれたらいいなと思います」と“恩人”の背中を追いたいと力を込めた。

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