佐藤輝は柳田級だ! 阪神ドラフト1位の佐藤輝明内野手(21=近大)が13日、鳴尾浜での新人合同自主トレで視察した平田勝男2軍監督(61)を驚嘆させた。即戦力スラッガーの豪快なティー打撃を初めて目の当たりにした平田2軍監督は、アッパースイング気味の万振りから繰り出すド迫力打法を高く評価。フルスイングが代名詞のソフトバンク柳田を引き合いに、ますます期待を高めた。

  ◇   ◇   ◇

佐藤輝のフルスイングに、平田2軍監督が魅せられた。指揮官を驚かせたのは大飛球を飛ばすフリー打撃ではなく、置きティーでの打撃練習だった。アッパー気味の豪快な軌道から打球に角度を付け、ド迫力の弾道を次々とネットに突き刺した。「豪快なティー。ソフトバンクの柳田のようなスイングは気持ちいいね」。その姿に、球界屈指の強打者を重ねた。

プロ入り後、平田監督が佐藤輝のスイングを生で見るのはこの日が初めて。大学時代の練習やプロアマ交流戦で見る機会はあったが、改めて確認した好素材に目を細めた。「うちにはああやってティーの時から100%、120%で豪快なスイングをするタイプはあまりいない。頼もしいというか、力強いね」。これまでの阪神ナインは、スイングがおとなしいと表されることが多かった。だが佐藤輝は違う。活躍への期待感がますます高まり、言葉が熱を帯びた。

長年ファームで指揮を執る平田監督は、昨季4年連続日本一を達成したソフトバンクの若鷹たちを、同じウエスタン・リーグで目の当たりにしてきた。若き柳田を筆頭に、日本一軍団を支える強打者を引き合いに出し、佐藤輝にも同様の力強さを感じていた。「バットを豪快に振れる力の強さ、ツボにきたら1発というスイングの力を感じるよね」。

期待の即戦力スラッガーは、メジャーで本塁打キングにも輝いたフィリーズのブライス・ハーパーに憧れる。「ダイナミックな感じ。あの雰囲気が好きです」。日頃からハーパーらメジャー強打者のホームラン動画集にも目を通し、豪快なスイングから放たれる豪快な放物線のイメージを膨らませている。

平田監督の期待も、柳田級だ。「そこ(柳田)を求めてほしい。浜風なんかに負けないスイング力。それを期待されて入ってきているので」。本拠地甲子園で左打者に不利とされる強風を打ち破っての大活躍。佐藤輝ならやってくれる。寒風の鳴尾浜で、新伝説を予感していた。【奥田隼人】

阪神ニュース一覧はこちら―>

 

<主な豪快スイング>

◆中西太(西鉄)1953年(昭28)に平和台でかっ飛ばした超特大本塁打は、推定飛距離161メートル。日本人打者で最大級とされる。内野へのライナーのように見える打球を、スタンドインさせる底知れぬ腕力を誇った。愛称は怪童。

◆門田博光(南海-オリックス-ダイエー)通算567本塁打は史上3位。新人時代から「ホームランの打ち損ねがヒット」という哲学を貫いた。1本足打法からの大アーチだけでなく、高々と舞い上がる内野フライの高さでもファンを魅了した。愛称はポパイ。

◆柳田悠岐(ソフトバンク)15年交流戦のDeNA戦で、横浜スタジアムのスコアボードのビジョンを直撃する145メートル弾で度肝を抜いた。昨年7月にはオリックス戦で、京セラドーム大阪の右翼天井へぶち当てる150メートル弾も放った。愛称はギータ。