セ界のローテ候補を総ざらいで攻略や! 阪神ドラフト1位の佐藤輝明内野手(21=近大)が、23日のDeNAとの練習試合(宜野座)に「3番左翼」でスタメン予定。今キャンプの対外試合では、DeNA大貫、広島森下ら開幕ローテーション候補から安打を放っている。

DeNAは若手の有望株、右腕阪口が先発予定。実戦7試合連続安打中の男がシーズンを見据えて、脅威を与える。

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佐藤輝のバットが、再びローテ候補に痛烈な一打を浴びせる。23日DeNAとの練習試合(宜野座)に「3番左翼」で先発予定。相手の先発は三浦監督をほうふつとさせるカーブが武器の高卒4年目阪口だ。「甘いところにきたら、1球で捉えられるようにしっかり準備して臨みたいと思います」。選手の中で最後まで練習に打ち込み、完全に日が沈んだ宜野座で意気込みを語った。

今キャンプはここまで実戦8試合で31打数14安打、打率4割5分2厘のハイアベレージ。しかも開幕ローテーション候補を堂々の攻略だ。18日DeNAとの練習試合(宜野湾)では、昨季10勝を挙げた右腕大貫から2安打。21日広島との練習試合(宜野座)では、昨季10勝を挙げてセ・リーグ新人王に輝いた右腕森下から豪快二塁打を放った。中日松葉からも中前タイムリー。若手の有望株・阪口にも打撃を与えれば、シーズンを前に精神的に優位に立てる。

連続安打も注目だ。初実戦の4日紅白戦こそ無安打だったが、7日の紅白戦から7試合連続安打を記録中。近年の新人では19年に木浪が、春季キャンプでの実戦から9戦連続安打を記録した。その後、好調を維持して開幕スタメンを勝ち取っている。佐藤輝の勢いも止まりそうにない。

この日はキャンプ名物の「スリルティー打撃」を初体験した。アップテンポな布袋寅泰の名曲に乗せ、用意された1箱のボールがなくなるまで連射方式で打ち続ける。佐藤輝は通常のバットより重いマスコットバットで3分25秒にわたって、ひたすらバットを振り続けた。

今キャンプで初めてメニューを組み込んだ井上ヘッドは、「(キャンプ)後半に入って試合ばかりになって、振り込んだりする時間があまりなかったので」と、意図を説明。フラフラになっていた佐藤輝については「パワーはあるけど持久力がないから」と、スタミナ強化をもくろむ。怪物ルーキーは「疲れました」と、苦笑い。スリル効果で、さらなるパワーアップの予感だ。【奥田隼人】