今秋ドラフト上位候補の最速152キロ右腕・関西国際大・翁田(おうた)大勢投手(4年=西脇工)が、同候補の三菱重工West・森翔平投手(23=関大)と投げ合い、試合には敗れたが7回4安打8奪三振2失点と好投した。関西屈指の好投手同士の直接対決を、6球団11人のスカウトが視察。前評判に違わぬポテンシャルを見せつけた。

初回は緊張に襲われた。力みから連続四球、捕逸が絡んで2点を献上したが、「しっかり下半身で投げることを意識した」と尻上がりに軌道修正。立ち直れば、自身の持ち味を存分に発揮。3回の先頭打者を150キロ直球で三振、4回にも先頭から連続三振。スリークオーターから力強い直球を軸に、相手打者のバットに空を切らせた。「この冬に取り組んできた真っすぐと変化球で空振りを取るというところで、三振も後半に取れた。やってきたことが出来たと思う」と手応えは確実だ。

季節は春先だが、この日も最速は151キロ、常時140キロ台後半をマーク。巨人は球団幹部3人を含む最多4人で視察し、榑松スカウト部次長は「柔軟性と馬力の両方を兼ねそろえている。ストレートのノビ、強さ、あれだけ真っすぐで三振が取れる投手はなかなかいない」と絶賛。中日米村チームスカウトも「あの角度で投げられると怖さがある。スピードがあるとバッターが踏み込めない。打者が怖い投手だと思う」と特長を高評価した。

昨秋は右肘の炎症でリーグ戦の登板はなし。今月上旬から紅白戦などで段階的に球数を増やして実戦を重ねている。翁田自身も「(不安は)ないです」と表情は明るい。リーグ戦開幕は4月3日。2季連続優勝へ、大きな自信を手にした。

▽阪神山本スカウト「ボールが強くて力がある。あの(腕の)位置であれだけの強いボールを放れるのは武器になる。シンカー、フォーク、落ちるボールもあるし、上位候補になってくると思います」