阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22)が4戦ぶりの2号ソロを放った。5点リードの6回2死。広島中村祐のチェンジアップを逃さず、右翼席へ弾丸ライナーでたたき込んだ。「抜けてきたチェンジアップをしっかり仕留めることができました」。この日もカメラに向かって大好きなアイドル「ももいろクローバーZ」の「Zポーズ」を決めた。

「打てない悔しさを持っていましたし、これからもっと打つことができるように頑張ります」と思いを隠さなかった。広島3連戦の1戦目、2戦目は3三振ずつ喫し、この日の試合前までの5試合で11三振は12球団ワーストだった。試合前練習では井上ヘッドコーチから下半身や右足の使い方を指導されていた。結果が出なくても、積極的にフルスイングを続けた。2回の第1打席では内角直球を空振り三振。第2打席も初球からバットを振った。

佐藤輝は守りでチームに貢献していた。5回に松山が右翼へ放ったライナーをスライディングキャッチ。その直後の2号ソロとなった。ドラフト制後の新人が開幕2カード連続で本塁打を放つのは89年の日本ハム中島輝士以来で、セ・リーグでは初。前日3月31日の試合後に矢野監督は「悔しさを乗り越えて成長していくというのは、みんな通る道」と話していたが、自らのバットで乗り越えていく佐藤輝は、やはり並みの新人ではない。【石橋隆雄】

▼ルーキー佐藤輝が6回に2号ソロ。佐藤輝は開幕カードのヤクルト戦(神宮)でプロ1号。阪神の打者が開幕から2カード連続本塁打は17年糸井以来。ドラフト制後に入団した新人は89年中島(日本ハム)以来2人目で、セ・リーグの新人では初めてとなった。中島は本拠地の開幕カード、敵地の2カード目で1本ずつ打ったが、佐藤輝は2本とも敵地で記録した。