<神奈川大学リーグ:松蔭大5-3横浜商大>◇第1週第1日◇3日◇神奈川工大KAITスタジアム

横浜商大・飯田琉斗投手(4年=向上)は現実を受け止めた。神奈川大学リーグ開幕戦に先発も、3回2/3、6安打4失点。味方の3失策があり自責は2点だったが、3四死球を出した。「オープン戦から制球に苦しんでいて、真ん中に腕を振って投げようとしたけど出来ませんでした。勢いのないボールを投げてしまいました」と率直に話した。

最速154キロ右腕の今季初登板に7球団が訪れたが、最速は142キロにとどまった。最大の持ち味である球の力強さが見られなかった。井樋監督からも「ボール(の制球)が思うようにいかないなら、腕を振ればいい」と指摘された。飯田自身も分かってはいたが「試合になると、どうしても制球が気になってしまう。1、2年の時は何も気にせず、腕を振れていたのですが。戻さないといけない」と話した。

昨秋の新チーム発足後、志願して主将になった。緊急事態宣言で自主練習が続いた1月、自ら部員に呼び掛け、1日2回、オンラインでミーティングを開いた。下級生も話しやすい雰囲気づくりを心がけ、部の結束を進めた。「選手として、自分のことに集中したい時期もある。でも、全員でレベルアップしないと、目標の日本一にはなれない。自分よりチームが第一優先です」と話していた。ただ、この日は「精神的に未熟。キャプテンとして、エースとして、初戦の気負いに勝てませんでした」と言った。

コンディション不良や故障ではない。まずは「自分」を取り戻すことが必要だ。「キャプテンになった以上、チームのために頑張らないといけない使命感があります。ただ、自分が良くならないと、チームも良くならない。自分の真っすぐを投げられれば、相手どうこうはなく、打たれない。取り戻せるように」と誓った。大学ラストイヤー。チームのためにも、自分自身の将来のためにも、ここから巻き返す。【古川真弥】