ハマの番長がようやく勝った。DeNA三浦大輔監督(47)が新人監督としては2リーグ制後、最も遅い開幕9戦目で就任初勝利を挙げた。「番長チルドレン」の阪口皓亮投手(21)が5回無失点と好投。6回から4投手をつないで逃げ切った。1番に抜てきした神里和毅外野手(27)が先制本塁打を放つなど「番長マジック」もさく裂した。今季と同じ開幕6連敗から優勝した1960年(昭35)の再現を狙う。

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三浦監督は何度も挫折を経験し、立ち直ってきた。「あの試合を忘れたらアホでしょう(笑い)。あんな衝撃的な試合を」。6度目の開幕投手を務めた07年の巨人戦。先頭打者の高橋由に初球を本塁打された。「今のなしにしてくれ。もう1回やらせてくれ。やってもうた」と落ち込んだ。

長女凪沙さんに傷心を癒やされた。「パパ、終わったことは変えられない。でも自分で未来はつくっていける。変えられるんだよ」。当時9歳の愛娘が一生懸命、本を読んで探してくれた。「その言葉にはだいぶ救われた」。同年7月には35回連続無失点の球団記録を樹立した。

今季は外国人不在に見舞われたが、グチをこぼすこともなく「若手が成長するチャンス」と言い続ける。肝機能障がい、2段モーション禁止-。さまざまな逆境を乗り越えた経験も糧として、しなやかに監督業に臨んでいる。【斎藤直樹】