日刊スポーツ評論家の桧山進次郎氏(51)が両チームの注目プレーを随時解説した。
阪神藤浪晋太郎投手(26)が登板3戦目で、待望の今季初勝利をつかんだ。白星は昨季8月21日ヤクルト戦(神宮)以来、22戦ぶりとなった。序盤に4四球を出しながらも、尻上がりに調子を上げて7回4安打2失点。最速は155キロ、121球の熱投だった。
【桧山進次郎氏の解説】
-終わってみれば阪神が投打がっちりで快勝
桧山氏 阪神は藤浪に勝ちがついて、打線も14安打9得点といい勝ち方ができました。ポイントはやはり、3-0から4点リードに広げた6回の佐藤輝のソロ。飛距離も大きかったけど、チームにとっても大きな1点だったし、一気に打線が勢いづいて、勝敗を分けるポイントになりました。10日の2戦目にも弾みがつきそうな勝ち方です。
-最下位に沈むDeNAの逆襲のポイントは
桧山氏 打ち込まれて負けるケースが多いので、一番は投手陣の頑張りでしょうね。外国人がいないのに、チーム打率(2割6分4厘)はリーグトップでしょ? ドラフト1位の牧や、この日2ランを打った関根のように若い選手が育っている。ソトやオースティンらが帰ってくればどんな打線になるのか。それまで何とか踏ん張って借金を減らしたいし、帰ってくれば脅威のチームになりますよ。特に先発陣をどう立て直すかが、今後のポイント。10日の2戦目は上茶谷の奮起に期待したいところです。
チーム | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
阪 神 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 6 | 0 | 0 | 0 | 9 |
DeNA | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 2 |
【阪】藤浪、加治屋
【De】浜口、国吉、池谷、石田、三上
【本】佐藤輝3号ソロ(6回=140m)関根1号 2ラン(7回=109m)
試合経過
<1回>
【阪神】
1番近本 左安打
2番糸原 一ゴロ
3番マルテ 近本が三盗。レフトへフェンス直撃の先制適時二塁打
4番大山 暴投で二塁ランナーが三塁へ。センターへ犠飛
5番サンズ 四球
6番佐藤輝 詰まりながらも初球を右安打
7番梅野 四球
8番山本 2死満塁で押し出しの四球
9番藤浪 空振り三振
先発の浜口は33球費やす
【DeNA】
1番関根 四球
2番柴田 左飛
3番牧 四球
4番佐野 二ゴロ
5番宮崎 2死二、三塁で空振り三振
【桧山進次郎氏の解説】
-阪神が立ち上がり不安定なDeNA先発浜口から3点を先制した
桧山氏 両先発とも制球に苦しい立ち上がり。ただ藤浪の方は真っすぐに球威がある分、無失点に抑えられた印象です。スピードがあるし荒れているとなると打者も的を絞りづらいし見極めにくい。多少甘く入ってもファウルになったり、球威で打者を押していました。同じ荒れ球でも浜口はそこまで球威がないので、見極められてしまう。開幕から初回の3試合連続失点は次回登板でも課題でしょう。
-阪神打線はその浜口にしっかりつけ込んだ
桧山氏 近本が先頭で出て走って理想的でしたね。前日8日の巨人戦の最終打席で、左腕の高橋から完璧に捉えたライナーの右前打を打ちました。バットを内から出してしっかりたたけていた。調子が上がっていませんでしたが、とてもいい打ち方で、これから良くなってくると感じました。これまではヒットもゴロが多かったですからね。4番の大山も状態が良くない中で、よく犠牲フライを打ったと思います。何とか追加点をと、おっつけて丁寧に打ちにいっていました。大きな追加点です。
<2回>
【阪神】
1番近本 中飛
2番糸原 遊ゴロ
3番サンズ 右飛
【DeNA】
6番神里 空振り三振
7番田中俊 遊ゴロ
8番戸柱 低めの変化球を空振り三振
<3回>
【阪神】
4番大山 左安打
5番サンズ インコースの直球を見逃し三振
6番佐藤輝 セカンドへの併殺打
【DeNA】
9番浜口 四球
1番関根 左安打
2番柴田 ファーストへの犠打で1死二、三塁
3番牧 四球
4番佐野 真ん中の直球を右飛。三塁ランナーの浜口はタッチアップできず
5番宮崎 アウトコースを見逃し三振。満塁のチャンス生かせず
【桧山進次郎氏の解説】
-DeNAは3回1死満塁で無得点に終わった
桧山氏 佐野のライトへのライナー、で三塁走者の浜口がタッチアップできなかった。痛いプレーですね。打球が上がったあとからでも、アッと思ってホームにいかなあかんところです。なぜハーフウェイだったのかも疑問です。藤浪はまだ立ち直っておらず、何とか荒れ球でDeNAの打者を打ち取っている中、浜口自身は2回、3回と立ち直ってきた。その中で2点差に迫れたかは大きいし、もったいないプレーでした。
-佐野の打球は右翼の佐藤輝がスライディングキャッチ。捕ってからも素早い返球を見せた
桧山氏 少し詰まった感じで、ラインドライブ気味の難しい打球だったと思います。佐藤輝は本職が内野手ですが、器用に捕りました。でも本職の外野手からすると普通のプレーです。
<4回>
【阪神】
7番梅野 空振り三振
8番山本 四球
9番藤浪 投犠打で2死二塁
1番近本 暴投で二塁ランナーが三塁へ。二ゴロ
【DeNA】
6番神里 中飛
7番田中俊 インコースを見逃し三振
8番戸柱 三ゴロ
<5回>
【阪神】
2番糸原 中飛
3番マルテ 左安打
4番大山 一邪
5番サンズ 一ゴロ
【DeNA】
代打宮本 一ゴロ
1番関根 空振り三振
2番柴田 右飛
【桧山進次郎氏の解説】
-点の取り合いになりそうな雰囲気もありましたが、阪神の初回3得点だけで前半が終わりました
桧山氏 藤浪はテンポも良くなってきて、4回と5回は連続で三者凡退。DeNAとすれば、より3回に1点取れなかったことが響く展開になってきました。タイガースがこの試合いけるぞ、ではなく、DeNAがイヤな雰囲気で戦っている感じです。浜口は初回だけで本当にもったいない投球でした。
<6回>
【阪神】
DeNA2番手は国吉
6番佐藤輝 ど真ん中の変化球を捉えライトへ場外ホームラン
7番梅野 四球
8番山本 空振り三振
9番藤浪 ファーストへの犠打で2死二塁
1番近本 レフトへの適時二塁打
2番中野 四球
3番マルテ 2死一、二塁でセンターへ適時打
4番大山 2死一、二塁でレフトへ適時二塁打
5番サンズ 2死二塁でライトへ適時打
6番佐藤輝 空振り三振
【桧山進次郎氏の解説】
-佐藤輝が3-0で進んだ6回、国吉のカットボールを捉えて右翼場外に3号ソロ本塁打
桧山氏 すごかったですね。横浜スタジアムでライト後方の場外弾は見たことがあるけど、右中間の場外は記憶にないです。風はフォローだったけど、力がないとあそこまで飛びません。松井秀喜でもなかったんじゃないですか。内角の甘めの球だったとはいえ、本人も完璧過ぎるぐらいの感触だったのでは。
-先頭佐藤輝のソロから一挙6得点で9-0
桧山氏 2回以降、両チーム0点で、次の1点をどちらが取るかという試合。こうなると一気に試合が動きますよね。6番はポイントゲッターでもあるし、いろんな意味で佐藤輝の1発は大きかった。
別角度から
ここに落下
【DeNA】
3番牧 一ゴロ
4番佐野 遊直
5番宮崎 中安打
6番神里 空振り三振
<7回>
【阪神】
DeNA3番手は池谷
7番梅野 左安打
8番山本 三ゴロ
9番藤浪 投犠打
1番近本 二ゴロ
【DeNA】
7番田中俊 四球
8番山本 右飛
9番倉本 左飛
1番関根 ライトスタンドに飛び込む2ラン!
2番柴田 右安
3番牧 二ゴロ
<8回>
【阪神】
DeNA4番手は石田
2番中野 左安打
3番木浪 遊併打
4番大山 左安打
5番板山 投ゴロ
【DeNA】
阪神2番手は加治屋
4番佐野 遊失
5番宮崎 遊飛
6番神里 遊失
7番田中俊 左飛
8番山本 空振り三振
<9回>
【阪神】
DeNA5番手は三上
6番佐藤輝 中飛
7番陽川 左安打
8番山本 空振り三振
9番坂本 空振り三振
【DeNA】
阪神3番手は桑原
9番細川 空振り三振
1番関根 二飛
2番柴田 遊ゴロ
【桧山進次郎氏の解説】
-藤浪は7回2失点
桧山氏 調子はあまり良くなかったと思います。でも味方に先に点を取ってもらったことと、DeNA打線が荒れ球に手こずってくれたことが大きかったと思います。このままいけば今季初勝利で、勝ちがつくのは本人にとってもチームにとっても大きい。
-阪神打線は前日巨人に3安打完封されたが、活気を取り戻した
桧山氏 メンバーがそろっていない巨人相手だったので、本当は3連勝したかったですね。巨人は今が我慢の時で、1勝2敗で御の字と思っていたでしょうし。でも一夜明け、得意の横浜スタジアムに来て、打線が爆発して、今年も相性が良いとみんな感じただろうし、気分よくスタートできたと思います。逆にDeNAはまた今年もかとイヤな感じを受けたでしょうね。
スタメン
【阪神】
1(中)近本
2(二)糸原
3(一)マルテ
4(三)大山
5(左)サンズ
6(右)佐藤輝
7(捕)梅野
8(遊)山本
9(投)藤浪
【DeNA】
1(右)関根
2(遊)柴田
3(一)牧
4(左)佐野
5(三)宮崎
6(中)神里
7(二)田中俊
8(捕)戸柱
9(投)浜口