ピカピカの精鋭16人が、初々しい笑顔で新たな門出を迎えた。

クラーク仙台(宮城)の入学式が9日、仙台市内で行われ、全国大会で2度の準優勝を誇る女子硬式野球部4期生が、真新しい制服姿で入学許可書を手にした。

自宅通学生以外の1年生11人は、初の寮生活もスタート。高校生活の第1歩を踏み出した。

生まれ育った九州の地を巣立ち、憧れの場所で野球に打ち込む。熊本出身の木村美輝内野手(1年)は「(クラーク仙台は)選手同士で教えあったり、チームの雰囲気が良かったので、入学を決意した。自分が試合に出場して、全国大会で優勝する」と力を込めた。熊本・菊池南中時代は、田原坂ボーイズでプレー。男の子に負けじと汗を流した。持ち味は守備で「打撃よりも守備が得意。どんな打球にも向かっていける」。九州出身でもあり、ソフトバンクファンでもある。ポジションは三塁。クラーク仙台の“熱女”を目指し、チームを盛り上げる。

秋田出身の工藤陽菜内野手(1年)は、札幌国際大の姉里菜さん(2年=神戸弘陵)の背中を追う。工藤は「姉の存在が一番大きい。憧れの選手でもある」。中学まで続けてきたソフトボールを一区切り。硬式に初挑戦することを決めた。さらに、母英里香さんのいとこは、元オリックス、楽天に在籍し、現在は独立リーグ石川の後藤光尊コーチ(42)だ。工藤は「小さい頃に、試合を見た記憶があります」と話し、野球との縁を感じる。

新入部員16人は創部以来最多の人数となった。森山周監督(39)は「学年関係なく力があれば、1年生からレギュラーです。上級生の刺激にもなるので」と、相乗効果を期待する。目標は日本一のみ。夏の選手権で女王の座をつかむ。【佐藤究】