母さん、ありがとう-。オリックス吉田正尚外野手(27)は、母の日となる5月9日ロッテ戦(ZOZOマリン)でバットやグラブ、打撃手袋、リストバンドまで全身をピンクに染める。契約するアンダーアーマーと打ち合わせを重ねて「ピンク吉田正尚」の準備を進めている。母親への思いを聞かれると「普段は口下手なのであまり言わないですけど…」と照れながらメッセージを送った。

「高校(敦賀気比)から寮に出て、大学(青学大)も東京で、今も大阪で。好きなことに貪欲に、ノビノビやらせてもらってます。そういう育て方をしてくれたので、感謝しかないです」

2人兄弟の次男。野球を始めたきっかけは、父や母と一緒に3歳上の兄正仁さんの練習の送り迎えに付き添ったことから。5歳でバットに興味を持ち、小学1年から正式に始めた。福井の実家を出る中学3年まで母親に甘えていたという。今とはずいぶん違う自分を思い返し、頬を赤らめた。

「ユニホームとかスパイクとか、自分で(整理整頓を)やるタイプではなかったのでね。母親任せで甘えていた。学校に行くときとかも、遅刻ギリギリで車で送ってもらったりもあったりね。そんな優柔不断だった僕を、うまくサポートしてくれた。今思うと、本当にありがたい存在ですよね」

あまり家族やプライベートを明かさない男が珍しく語った。

25日の日本ハム戦で飛球をダイビングキャッチした際に左膝を負傷。途中交代したが病院には向かわず、様子を見た。3年連続全試合出場中で、これまでも「毎試合、元気な姿で出ることが自分なりのパフォーマンス」とこだわっており、27日楽天戦(京セラドーム大阪)でも背番号34の懸命な姿が見られそうだ。

「母の日、打てれば良いですね。活躍することで家族が喜んでくれる。結果で恩返しできれば」

母に感謝を込め、毎日、躍動する姿を届ける。【真柴健】