西武栗山巧外野手(37)が、今季1号となる決勝ソロ本塁打を放ち、チームを2連勝と勝率5割復帰に導いた。

同点の8回無死、ロッテ唐川の初球、真ん中高め143キロカットボールを完璧に捉え右翼席に運んだ。「とにかく、どういう状況になっても積極性だけは失わないように心掛けていました。そういう気持ちがスイングに現れたと思います」。本拠地のファンの拍手を浴びながら今季初めてダイヤモンドをゆっくりと1周。「うれしかったですね。ほんとに」と喜んだ。

通算2000本安打まで74本として迎えた今季。開幕戦でいきなり2安打を放って勝利に貢献したが、翌日から下肢の張りで欠場。3月31日から登録抹消となった。「自己管理不足といもありますが、言っても仕方ないんで。次(1軍に)合流したときには、という気持ちでいました」と振り返る。「いい状態をイメージしながら。なんとかその日その日のコンディションを確認して…の繰り返しでした。特に取り組みを変えたりはしてなかった。この時間は必要な時間なんだと、自分の勝手な解釈をして、時間を有効に使う。それだけでしたね」と焦らず、じっくりと復帰に備えた。

4月20日に1軍復帰を果たしたが、なかなか調子が上がらなかっただけに勝利を決める1発は大きかった。「ちょっと貢献できてへんなと思ってましたので。『ここぞで1本打つ』というのが求められている役割だと思うので。そういうことが力みにつながらないようにと思ってやっていたんですけど、なかなか思うようにいかなくて。今日はしっかりゲームを決めることができて良かったなと思います」とうなずいた。

この日の1発で通算2000本安打まで、あと68本。スタンドには残り本数を示す「栗メーター」を掲げるファンも目立つが、あくまで目の前に集中する。「(残り何本と)指折り数えているわけじゃないですけど、なんとなくあと何本というくらい。あんまり先を見すぎてもどうかなというのはあるので。その日その日をしっかりやっていければという気持ちの方が強いです」。20年目の大ベテランがコツコツと、チームの勝利と大記録への一打を積み重ねていく。【鈴木正章】

西武平良(8回から登板し1回無失点で今季初勝利)「いつもと変わらず1点も取られないようにという強い気持ちで投げました。ただそれだけです」

西武今井(7回を2安打6四球も2失点と粘投)「今日は試合前からカットボールの感覚が良よく(捕手)森さんにそこをうまく引き出していただきました。内野ゴロに打ち取れる場面があったので良かった」

西武愛斗(6回に4号ソロ)「このところチームのためのバッティングができていなかったので、何でもいいから塁に出ようという気持ちでした」

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