早大のエースが復調を示す完封勝利を挙げた。徳山壮磨投手(4年=大阪桐蔭)が法大打線を散発4安打。先週の立大1回戦で3回8安打6失点するなど不振が続いていたが、本来の投球に近づいた。慶大もエース森田晃介投手(4年=慶応)が完封勝利。東大打線を6安打に抑え、試合がなかった立大を抜き、首位に立った。東大は17年秋から引き分けを挟み60連敗。

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迷路の出口が見えた。最後の打者を打ち取ると、早大・徳山はほえた。「チームに相当、迷惑をかけました。早稲田の11番として、1人1人打ち取ることだけ。積み重ねてゼロで勝てました」と笑顔を見せた。

立大1回戦後、小宮山悟監督(55)に「何をどうしたらいいのか、迷路にはまっている感じ」と心配された。翌日の同2回戦、あえてリリーフで送り出された。「全力で腕を振っていけ」。監督の言葉に応え、1回を3人で抑えた。「今日の投球につながったと思います」。最速151キロ右腕だが、この日も球速は140キロ台前半にとどまった。序盤は制球も不安定。それでも、好守にも支えられ、自身3度目の完封勝利。投球フォームの上下のバランスを修正した成果が出たが、それ以上に「チームメートが自分の姿を見ている。気持ちで抑えた結果」と、必死の思いが実った。