2年ぶりに仙台6大学野球が幕を開けた。6季連続リーグ優勝を狙う東北福祉大が快勝発進。東北学院大を9-3で下した。先発した最速153キロ右腕・椋木蓮(4年=高川学園)が、6回を2失点(自責1)にまとめた。この日の最速150キロ直球に多彩な変化球を織り交ぜ、毎回の11奪三振の快投で“開幕投手”の責務を果たした。

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上々のスタートを切った。今秋ドラフト上位候補の椋木が、7球団9人のスカウトの前で6回7安打無四死球2失点(自責1)で開幕勝利を挙げた。力のある直球に4種類の変化球を駆使しながら、毎回の11奪三振をマーク。「緊張していました。完璧な投球よりも、チームが勝てる投球を意識した。四死球がなかったことが一番良かったし、三振も取ることができた」と振り返った。

課題は立ち上がり。初回、先頭打者をこの日の最速150キロ直球で追い込み、最後は148キロ直球で見逃し三振。それでも次打者に中前打で出塁を許すと、けん制悪送球の間にランナーを三塁に進めた。その後、2死としたが適時打で先制点を献上し「先に点を与えてしまったことは、反省しないといけない」と厳しい表情で話した。

2年春以来2年ぶりの先発復帰だった。昨秋リーグ戦は中継ぎ陣の一角としてフル回転。5試合に登板し、8回15奪三振でMVPに輝いた。最終学年の今季は先発の柱としても期待がかかる。「(昨季は)1イニングだけを全力で投げれば良かったけど、(今季は)長いイニングを投げないといけない」。主に直球とスライダーだった投球スタイルをチェンジ。打者2巡目以降も相手に的を絞らせないように、持ち球の球種を増やすなど先発仕様で臨んだ。

チーム目標は、6季連続リーグ制覇と大学選手権で優勝することだ。「エースらしい投球をして、0点に抑えたい」。エースの自覚を胸にマウンドに立ち続ける。【佐藤究】