セ・リーグは阪神が再び貯金を今季最多タイの12とし、首位を快走中。最下位DeNAも5月連勝スタートと、反転攻勢に入った。どのチームにも、キラリと光るプレーをみせた選手がいる。日刊スポーツの12球団担当記者が独断と偏見+愛情? で選んだ先週のチーム別MVPを紹介。セ・リーグ編です。

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【阪神佐藤輝明内野手(22)】5月2日広島戦で初めて「4番」に抜てきされ、2点ビハインドの場面で逆転満塁本塁打を放つなど5打点の活躍。阪神新人の4番デビュー戦での本塁打は史上初の快挙だった。4月27日中日戦では昨年の沢村賞左腕、大野雄から本塁打を放っており、ルーキーながらにリーグ3位の8本塁打。打点もリーグ2位で、トップの巨人岡本和に1差の24打点と存在感を増している。

【巨人ゼラス・ウィーラー内野手(34)】6番から打線を支えた。4試合の出場で16打数11安打、2本塁打、6打点を記録。3度の猛打賞をマークし、チームを引っ張り続けた。4月4日に新型コロナウイルス陽性判定を受け16試合の離脱を余儀なくされたが、出場11試合連続安打も継続中。不動の4番岡本和、メジャー通算196発の5番ジャスティン・スモーク内野手(34=ジャイアンツ)の後ろで存在感を放っている。若手選手に交じって連日早出特打を行う姿勢が好調の要因だ。

【ヤクルト中村悠平捕手(30)】正捕手に返り咲いた男がバットでもチームを支える。「2番捕手」に定着。4月27巨人戦では5打数3安打。5月1、2日のDeNA戦では2試合続けて2打点をマークした。6試合連続安打中と好調をキープ。キャンプでは古田敦也臨時コーチから「捕手で勝つ」と徹底的にたたき込まれて臨む今季。青木からも「ムーチョ(中村)がすごく変わった」と評価される。

【広島・森下暢仁投手(23)】昨季の新人王が“二刀流”で奮闘し、チームを勝利に導いた。開幕2連勝からプロ初の連敗を喫して迎えた4月27日DeNA戦。投げては先発で8回3安打7奪三振で1失点の力投。打っては2安打1打点と打撃能力の高さも示し、今季3勝目をもぎ取った。

【中日・高松渡内野手(21)】4月30日の巨人戦で「1番二塁」で先発出場し、巨人エース菅野から、プロ初タイムリーを含む初マルチを決めた。50メートル走5秒8を誇る中日きっての韋駄天(いだてん)だ。与田監督の「足の速さで(菅野に)プレッシャーを何とか与えたかった」と、盗塁こそ決められなかったが起用に応えた。高松の活躍もあり、中日は昨季3戦全敗の菅野に黒星をつけ、負の記憶を拭い去った。

【DeNAタイラー・オースティン外野手(29)】先週は6試合中5試合で安打を放ち、打率3割4分8厘、3本塁打、5打点、OPS(出塁率+長打率)は1・184と大暴れした。2週間の隔離期間明けは打率2割2分9厘まで低迷したこともあったが、通算40打席に到達したあたりから、一気に調子を上げてきた。5月1日のヤクルト8回戦戦(横浜)では推定飛距離146メートルの特大本塁打。電光掲示板の「1番桑原」の「原」の付近に当てた。オースティンの調子と合わせるように、チームは今季初の2カード連続の勝ち越しとなった。