伸びた髪は、負けない証しだ。オリックス高卒2年目左腕の宮城大弥投手(19)は、どんどん長髪になっていく。

「今、なかなか外に出れないので(髪を)切ってないですね。あまり気にしていなかったんですけど、最近は『負けるまで伸ばしてみよう』と思うようになりました」

1月中旬から切ってない髪は、帽子をかぶっても襟足がはみ出るようになった。切ってはないが、整えているようで「横だけは」と、こめかみ部分は、大阪・舞洲の球団寮で同期入団の前佑囲斗投手(19)にセットしてもらう。

今季は開幕2戦目の先発に抜てきされるなど、存在感抜群の左腕。今季ここまで5試合に先発して、3勝0敗、防御率は1・53の成績を残している。規定投球回への到達も、残り3回2/3(11日試合前時点)で、一気に防御率でリーグトップに躍り出る可能性がある。

11日の日本ハム戦(東京ドーム)で今季4勝目を狙う。警戒する打者は「今は杉谷さん。ひとり活躍するとチームが盛り上がって、グイグイ来そうなイメージなので、注意していきたい」と、まるでベテランのように落ち着いた分析。ただ、東京ドームのマウンドに上がるのは人生初で「東京ドームの印象は(球場が)大きいですね。みんな狭いと言っているんですが…」と苦笑い。マウンドは人生初だが「ジャイアンツカップで、芝生は踏んだことあるんですよね」と中学時代の経験から、球場の雰囲気を思い出した。

昨オフに打ち立てた目標は「開幕ローテに入ること」と「新人王」の2つ。昨年末には「(目標は)意識はしないです。ケガせず、ずっとマウンドで投げることができれば、知らないうちに可能性は出てくると思う」と自然体で取り組むことを口にしていた。

チームは借金3を背負うが、誰も下を向かない。3年ぶりの貯金生活へ、火曜日の先発を託された宮城が、流れを作る。【真柴健】

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