尻上がりに球速を伸ばし、西武高橋光成投手(24)がリーグトップタイとなる無傷の5連勝を収めた。

初回先頭打者に安打を許すも、直後から10者連続凡打に打ち取る序盤の快投。5回に1点失ったものの7回2死三塁の場面、1回に打たれた五十幡を3-2と追い込んでから、この日最後の103球目に最速152キロを出し三振に打ち取った。「何とか粘り強く投げられた」と笑顔でお立ち台に上がった。

今季“ブラックフライデー”は1日もない。金曜日を任され9戦不敗。調子の波に左右されず、試合をつくる。エースの座にもっとも近づく右腕を、捕手森が手綱を引く。球速が上がらず、四苦八苦する姿に森は「そういう中でも投げるコースを意識しよう」と、独り相撲にならないように制御。高橋は「ボールのことばかり気にしていた。そこからまた立ち直ることができた」。自然とスピードも乗って最後の最速につながった。

験を担いで伸ばし続ける長髪を、大きな土台がしっかりと支える。臀部(でんぶ)周りの大きさは116センチを誇りチーム内でも類を見ない尻の大きさ。「一生懸命トレーニングして、一生懸命練習していたら、こんな感じになりました」と大きな尻を支えに190センチ、105キロの巨体から、躍動感あふれる投球を繰り出す。肩にまで届かんばかりの“獅子のたてがみ”は伸ばしてほしいというファンからの声に「どんどん伸ばしたいっす。頑張ります!」。なびかせるえりあしは、勝ち続けている証しでもある。【栗田成芳】

▽西武辻監督(高橋の長髪に)「髪の毛。いいじゃないですか。どんどん伸ばしてください。安心して見られるよ」