佛教大のエース木村光投手(3年=奈良大付)が、5季連続57度目の優勝を決めた一戦でも輝いた。先発し、7回1失点の好投。4回に同点ソロを浴びたが、引きずることなく、その後のピンチで踏ん張り、主導権を渡さなかった。「ピンチもあったが、ストレートで、いいアウトカウントを作るように意識した」と振り返った。

今季通算4勝。好投でチームをけん引してきた木村だが、けがを乗り越えての活躍だった。昨年12月、腰椎の一部を疲労骨折。復帰には1カ月以上かかったが、その期間も貪欲に野球と向き合った。

課題だったストレートに磨きをかけるため、腰に負担がかからない程度に肩周りや下半身強化の筋トレを行った。股関節の使い方も見直した。「けがの期間はうまく自分の成長に使えた」。地道な努力を続け、Vのかかった大一番でも勝利を呼び寄せた。

1年生だった19年6月の全日本大学選手権の決勝で投げた経験をもつ。今年の大会に向けて「19年と立場が違う。0・00で抑える気持ちでマウンドに立つ」。3年生エースは、大舞台での活躍を誓った。

 

○…打線も木村を援護した。2回に木岡大地外野手(4年=上宮太子)の右越えソロで先制。同点に追いつかれた直後の5回には山守晴喜内野手(3年=東邦)が決勝の犠飛を放った。田原完行監督(61)は「ほっとしました」と表情を緩めた。