早大が最後に意地を見せた。既に5位が確定して臨んだ今季最終戦。初回に丸山壮史主将(4年=広陵)の左前打で先制し、4回には岩本久重捕手(4年=大阪桐蔭)が勝ち越しの3号ソロ。早慶戦を1勝1敗の五分で終えた。優勝の慶大は連勝が8で止まったが、次は全日本大学野球選手権(6月7日開幕、神宮、東京ドーム)で日本一を目指す。

   ◇   ◇   ◇

キャプテンが初回から監督の叱咤(しった)に応えた。2死一、二塁で、丸山が左前に先制打。追い込まれてから、慶大・増居の外角142キロに食らいついた。「ランナー二塁で進めたり、かえしたりが、今季はずっとできていなかった。初回のチャンス。バットが折れてでも打ってやろうと思ってました」と、任務遂行に胸を張った。

前日は慶大に逆転負け。既に優勝を決めている相手と対照的に、今季5位が確定した。昨秋王者として悔しすぎる現実。東伏見の寮に戻ると、小宮山悟監督(55)の厳しい声が飛んだ。「最終週になっても1週目からの課題が克服できていない。2カ月間、どうしてたんだ!」。丸山は謙虚に受け止めた。「おっしゃるとおりです」。選手だけでミーティングを開き、訴えた。「1日で技術は変わらない。神宮の舞台で気持ちを出していこう!」。

ここ1本で安打が出ないのも課題の1つだった。8回には内野ゴロで貴重な追加点。今季は打率2割4分2厘にとどまった。「チームも、個人も、ふがいない結果。悔しい思いをした分、夏に鍛え直して、秋はリーグ優勝できるように」と切り替えた。【古川真弥】