神宮初打席は右飛だった。西武、巨人、オリックスで通算525本塁打を放った清原和博氏(53)の長男、慶大・清原正吾内野手(1年=慶応)が東大戦の7回に代打に立った。公式戦初打席は凡退したが、登場に球場が沸いた。慶大はBブロックを2連勝で通過。3日にAブロック1位の法大と決勝戦を行う。

   ◇   ◇   ◇

ヘルメットをかぶった清原が一塁側ベンチから姿を現すと、ファンの拍手が起きた。1-0の7回1死走者なし。指名打者の渡辺大に代わりコールされる。ベンチ上あたりの席に座る父は、両手を組んで静かに見守っていた。東大の左腕・小島に対し、3球続けて見逃した。ボール、ストライク、ボールからの4球目。外寄り119キロを打ちにいった。右中間へ上げたが、右翼の守備範囲内だった。

「一発で仕留めることができず、悔しいです。次のチャンスに向けて、しっかりと準備したいです」

1、2年生限定の大会とはいえ、公式戦初出場。その初打席で凡退し、チームを通じたコメントに心中をにじませた。ただ、ネット裏で視察した堀井監督は「内容は良かったと思います。芯近くで打っていた。もう少し打球が低ければ、右中間に抜けていたでしょう。何より、落ち着いていたのがいい」と、ボール球に手を出さず、しっかりスイングする姿勢を評価した。

本格的に野球をやるのは小6以来。学生野球トップレベルの東京6大学で、初の硬式野球に挑戦している。長打を秘めた打撃を買われ、Bチームの練習試合でベンチ入りした時のこと。ブランクがあるのにと、起用をいぶかる声もあったという。だが、フェンス直撃打を放ち、雑音は消えた。Bチームの紅白戦では2戦連続で本塁打も放った。

真摯(しんし)に野球に取り組む。本来は外野だが、少年野球とは格段にレベルが違う。野手の動きを学ぶため、あえて内野手登録。一塁手として勉強の毎日だ。練習試合ではベンチにノートを持ち込み、分からないプレーがあれば周りに確認し書き留めている。

堀井監督は「紅白戦、オープン戦、フレッシュ、リーグ戦と段階がありますが、順調に踏んでいる」と目を細めた。まずは、法大との決勝で、新人戦春の王者を目指す。【古川真弥】

◆清原正吾(きよはら・しょうご)2002年(平14)8月23日生まれ。東京都出身。小3からオール麻布で野球を始める。中学はバレーボール、慶応高ではアメフト。21年に慶大商学部入学。内野手(一塁手)。尊敬する人は両親。186センチ、90キロ。右投げ右打ち。