諦めずにつかみ取った。支配下登録されることが発表された巨人戸田懐生投手(20)が8日、リモート会見で気持ちを新たにした。昨年の育成ドラフトで入団した12選手の中で最速で支配下を勝ち取った。背番号は「020」から「90」に変更となる。公式戦デビューを飾った4月17日イースタン・リーグ楽天戦から2カ月もたたずにスピード出世。「最初はケガから始まった。もう少しかかるかなと思った。すごい早かったなという感じです」と第1報を聞いた瞬間を振り返った。

吉報は阿部2軍監督との“粋”なやりとりからだった。「投げて疲れはあるか? もっと疲れるところに行かせてあげるよ」と言われ、「大丈夫です。行ってみたいです」と返した。

東海大菅生時代には2年夏に甲子園にも出場したが、右肘のケガで2年秋に中退。野球から離れた。「野球ができないときが一番つらかった。本当に諦めずにやってきたので、それが結果に結びついたのかなと。すごくうれしいです」。170センチという小柄な身長ながら、ダイナミックな投球フォームでキレのある直球を武器にする右腕。四国IL徳島で復活を果たし、昨年、育成ドラフト7位でプロへの道を切り開いた。ただ、ここからが本当のスタートになる。「支配下になりたいという気持ちでやってきた。スタートラインに立ったのかなと思います」。まずはプロ初勝利。さらにその先に見据える輝かしいプロ野球人生へ、快進撃を続ける。【小早川宗一郎】