「伏兵」が交流戦首位タイに躍り出た。オリックスが引き分けを挟んで3連勝で、4カード連続勝ち越しを決め、楽天と並び交流戦首位に立った。4月以降、8度はね返された“5割の壁”をぶち破り、9度目の挑戦で勝率5割復帰に成功。今季最大6あった借金を完済した。

初回1死満塁から5番杉本裕太郎外野手(30)が左翼線に先制2点適時二塁打を放つなど、3点を先取。5回1死一、二塁では、10年交流戦優勝時にMVPを獲得した4番T-岡田外野手(33)が右翼5階席へ「完璧でした!」と今季7号3ランで試合を決めた。

お立ち台でT-岡田は「最高でした! 後ろにラオウ(杉本)がいるので、2人でなんとかしようと。やっと5割という感じ。明日からも、また大事に試合になる」と気を引き締めた。

先発した山崎福也投手(28)は、緩急を生かした投球で6回4安打無失点。5回2死三塁のピンチを空振り三振で乗り切ると、雄たけびをあげるなど、気迫のこもったマウンドで今季2勝目をゲットした。

中嶋監督は「非常にコントロールが良くて、高さも良かった。丁寧でテンポもよく、安心して見ていられた」と先発左腕を評価。T-岡田の一撃には「本当に欲しい追加点でした。ありがたい。ホッとしました」と胸をなでた。

交流戦を9勝5敗1分けとし、3試合を残して交流戦の勝ち越しも決めた。指揮官は勝率5割復帰に「うれしいですけど、目指しているところはそこじゃない。どんどん貯金できる方にまわっていきたい」と目線を上げた。

11日広島戦(京セラドーム大阪)の先発は今季5勝でリーグトップ防御率2・29の山本に託された。勝てば18年7月21日以来、約3年ぶりの貯金生活に突入する。オリックスの勢いは止まらない。【真柴健】