阪神大学野球秋季リーグが開幕した。春秋連覇を狙う天理大のエース左腕の井奥勘太投手(4年=立正大淞南)は、追手門大戦で7回無失点で開幕白星を挙げ、自己最速を3キロ更新する148キロもマークした。大体大は神戸国際大に競り勝った。2回戦総当たりのポイント制で争われ、勝ちが3、引き分けは1、負けが0。

   ◇   ◇   ◇   

天理大・井奥は「SNSトレーニング」で磨きをかけて開幕のマウンドに立った。「点はやれない」と連打を許さず、得点圏に走者を置いたのは失策絡みの5、6回だけ。7回4安打無失点で白星発進に導いた。

チームにはトレーナーがおらず投球フォームを自らスマホで撮影して分析。課題を見つけては、ツイッターやインスタグラムで「瞬発力」「股関節強化」と検索して強化メニューを自ら組み立てる。「自分は体が小さいので、プロでやるには直球の力強さを上げることが必要」。173センチ、71キロのボディーから効率的にパワーをねじり出そうと試行錯誤を重ね、この日は自己最速を3キロ更新する148キロを記録。「直球の力は確実に上がっている」と自信を深める勝利となった。

最終的な目標はプロ入り。その夢に向かって井奥がスマホ片手に大学ラストシーズンを戦う。【三宅ひとみ】

◆井奥勘太(いおく・かんた)1999年(平11)11月30日生まれ、神戸市出身。6歳から、鵯台(ひよどりだい)ライオンズで野球を始め、主に中堅。下畑台小では花谷少年野球部に所属。桃山台中ではKBAカマタベースボールアカデミーでプレー。立正大淞南2年秋からベンチ入りし、エース。天理大では1年秋からベンチ入り。遠投110メートル。173センチ、71キロ。左投げ左打ち。