ヤクルト村上が33号3ランを放ち、NPB史上最年少となる通算100本塁打へあと2本に迫った。1回1死一、二塁、中日ロドリゲスの外角フォークに逆らわず、ライナーで左翼席最前列へ突き刺した。「先制のチャンスだったのでコンパクトにランナーをかえすことを考えて打席に立ちました。良い角度で上がってくれました」。試合は逆転で敗れたが、若き主砲が広いバンテリンドームをものともしない技ありの1発で存在感を発揮した。

チームは前夜11日に7月10日以来、2カ月ぶりの本拠神宮での試合で勝利したばかり。久々にホームの雰囲気を味わったのもつかの間、この日、名古屋に移動して即試合という慌ただしい状態。それでも初回から勝負強さを見せた主砲に対し、高津監督も「ムネの1発で、すごくいいスタートがきれた」と評価した。

狭い神宮はもちろん、広い敵地の逆方向に放り込める真のホームランアーチスト。これまでの100号最年少記録は、89年に到達した西武清原和博の21歳9カ月。現在21歳7カ月の村上が、記録更新へ秒読み段階へ入った。【鈴木正章】