今度こそ決勝弾だ。楽天浅村栄斗内野手(30)がオリックス17回戦の1回に、先制の12号ソロを放った。後半戦再開後は打撃不振に陥り、スタメンを外れる日もあったが、2試合連続の本塁打で復調。チームとしても、今季2度対戦して1点も奪えなかったオリックス宮城を3度目で攻略し、連敗は3で止まった。

    ◇    ◇    ◇

浅村は外角いっぱいの初球ストレートを「いける」と判断した。1回2死、逆方向へ伸びた打球が右翼ポール際に吸い込まれる。「いい投手なので、追い込まれたら厳しい。タイミングが合えば振ろう。変化球でも真っすぐでも、いつも以上に積極的に打ちにいこうと思って臨みました」。ここまで2試合16イニングを0点に封じられた左腕宮城から、開始10球目で決勝点を挙げた。

出場した東京五輪を終え、後半戦が始まると不振に陥った。4日には西武から移籍3年目で初のスタメン落ち。最大10あったチームの貯金も徐々に減っていった。「ふがいない気持ちもありますし、悔しい気持ちもあります。でもどうにかチームのためにやりたいとはずっと思ってるんで」。DHで出場した12日のロッテ戦(ZOZOマリン)で、バックスクリーン右に待望の11号ソロを放った。85打席ぶりの1発。空砲に終わったが光明だった。本拠に戻り、9試合ぶりに二塁先発に名を連ねた。

存在感は揺らがない。石井GM兼監督は「調子がいい、悪い関係なく、彼がいないチームは考えられない」と中核に置き、線としてのつながりを求めた。5回には太田がスリーバントを決め、山崎剛が貴重な中押し打。浅村も四球でつなぎ、2点追加で先発早川をアシストした。

3連敗の流れを断ち切り「この1週間が本当に、順位に大きく響く週になる。ロッテに3連敗しましたけど、ここから勝っていくしかない。切り替えてみんなできたと思います」。オリックス戦の後は4位ソフトバンク戦が待つ。浅村の復調とともに、打線も上を向く。【鎌田良美】

楽天ニュース一覧はこちら―>