鉄腕エース・福山優希(3年=八戸学院光星)が、13日の第1日に続き先発。春2位の中大を3安打に抑え、2度目の完封勝利を納めた。

駒大は初回、1死から2番浦口外野手が左中間へ三塁打を放つと、続く与倉良介外野手(3年=向上)の右翼越え適時二塁打で先制。さらに四球で一、三塁とすると新田旬希内野手(4年=呉)が左前適時打を放ち2点先制した。8回には1点を追加し、この3点を先発の福山が守りきり、逃げ切った。

福山は鉄腕ぶりを発揮した。春のリーグ戦は12試合に登板、11試合に先発しフル回転で1部残留に貢献した。この秋のリーグ戦も、開幕から2試合を1人で投げきっている。タフネスぶりを「正直、わからないです」と苦笑いも、そこには投手としての成長が垣間見られる。

高校時代は真っすぐ主体だったが、大学入学後は配球を学び、緩急をつけた投球へシフトチェンジ。「状況と打者を見ながら投げているだけ。1試合目に続いて落ち着いて攻められました」。低めに丁寧にコントロールし、9回を投げ球数は116球。真っすぐにカット、スライダー、シュート、チェンジアップにカーブ。多彩な変化球で緩急をつけ、少ない球数で打ち取った。

大倉孝一監督(58)は「春、あれだけ投げて、打者に対する配球や、どのボールをどう使うかのイメージができている。それを相手にアジャストできるレベルになって安定した投球ができるようになった」と分析する。

相手を打ち取る球の見分け方。タイミングの外し方。己を知り、自身のスタイルを築き上げ、勝利を重ねる。福山は「まだ神経質になりすぎるところがあり、出さなくてもいいところで四球を出すところがあるのが反省。1つずつクリアしていきたい」と上を見つめる。秋季リーグ戦は始まったばかり。鉄腕エース・福山、これからも投げ続ける。