仙台6大学野球秋季リーグ戦が幕を開けた。上位進出を狙う東北学院大の最速144キロ右腕・筒井裕吾投手(4年=福岡)が9回完投勝利。137球の力投で東北大打線を4安打に封じ込め、9奪三振もマーク。開幕投手の責務を果たした。

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立ち上がりからエンジン全開だった。エース筒井は3者連続三振の好スタート。この日の最速141キロの直球を軸に2回から5回まで毎回走者を背負うも、無失点で切り抜けた。6回2死満塁、味方の失策で失点も、後続を空振り三振。最少失点で踏みとどまった。「球速以上に球の伸びを意識している。入りが良くて粘り強く投げられた」と納得の表情で振り返った。

4安打完投勝ちにも満足感はなく課題を口にした。「思うように投げられず、無駄な球が多かった」。雨中のマウンドで指先の感覚にずれが生じ3、5、6回と計3四死球。コースに投げ分ける本来の姿ではなかったが、大崩れすることはなく7回以降はノーヒット。最後まで右腕を振った。

記念すべき1勝だ。今秋リーグ戦に向け、一新したユニホームで初勝利を挙げた。「本当に勝てて良かったと思います」。開幕投手は、安堵(あんど)の笑みを浮かべた。デザインは三浦啓太捕手(3年=北海)を中心に選手間で話し合い、協議を重ねた。ピンストライプを採用し、チームカラーのブルーも濃くした。筒井は「選手の希望を出し合って、流行のストライプを取り入れた。かっこいいです」と声を弾ませた。

仙台6大学2強時代に終止符を打つ。6季連続優勝中の東北福祉大と仙台大が、過去4年間は優勝争いを展開し続ける。「食らいついていかないといけない。完投するつもりで戦いたい」。12年秋以来となるリーグ制覇で復権を果たす。【佐藤究】