慶大は土壇場の同点ソロで、2試合連続引き分けに持ち込んだ。

1-2の9回2死で、代打・北村謙介内野手(3年=東筑)が明大・村田から右越えへ放り込んだ。カウント1-1から内寄り甘めのシンカーを振り抜いた。「打った瞬間、最高の当たりが出ました。興奮して、体が震えました」。大盛り上がりのベンチに迎えられた。

高校時代は公式戦で1本打っただけ。大学でも、練習試合の1本のみだった。リーグ戦初安打を本塁打で決めた。「バットの芯で捉えることを意識してますが、最高の形になりました。とにかく、空振りしない。バットに当てたら何か起きると思っています」と喜んだ。

普段は、ロッカールームでもチームを盛り上げるムードメーカーだという。堀井哲也監督(59)は「打撃に関しては、好不調の波がない。引っ張れば長打は出ますが、まさかホームランとは。うちには大きな引き分けです」と目を丸めると、北村の背中をポンとたたいて、ねぎらった。