リーグ優勝が完全消滅している西武辻発彦監督(62)が、自身の去就について口を開いた。

6日、ZOZOマリンでのロッテ戦後「僕は何も球団からこうっていうことは言われていないので。まだそういうこと(去就)はシーズン終わるまで話すべきでないので、最後まで一生懸命戦うだけです」。ただ近い関係者には「(退任は)覚悟している。プロの世界だから、結果がこうであれば」と話している。昨季終了後に1年契約を結んでいたが、今季限りでの退任が決定的となっている。

今季を象徴するような試合内容だった。初回に2点先制され、打線は追いつくことができないまま、5回に中押しされて4連敗。借金は辻体制ワーストを更新する15に膨れ上がり、6位の日本ハムがゲーム差なしで後ろにピタリと付く。辻監督就任5年で初のBクラス確定は秒読み段階。球団史上では、現在の埼玉・所沢に本拠地移転した79年以来42年ぶりのリーグ最下位の影が忍び寄る。

残り14試合。辻監督は「僕は試合に負けるのは大嫌いだから。とにかく勝てるように必死でやって、その中で何か選手がつかんでいかないと。来シーズンのためにもやっぱり見せないといけない。戦っている以上は」と最後まで全力を尽くす。

再建に向けた新指揮官には、3年間の監督経験を積んだ松井稼頭央2軍監督(45)が最有力候補に挙がっている。イースタン・リーグを終え、この日は2軍施設のカーミニーク球場で行われた練習試合を指揮。球団は順位確定次第、コーチ人事を含めた組閣に動く見込みだ。

 

◆辻発彦(つじ・はつひこ)1958年(昭33)10月24日生まれ、佐賀県出身。佐賀東から日本通運を経て、83年ドラフト2位で西武入団。二塁手でゴールデングラブ賞を8度受賞。93年首位打者、最高出塁率。96年にヤクルトへ移籍し99年引退。通算1562試合、1462安打、56本塁打、510打点、打率2割8分2厘、242盗塁。現役時代は182センチ、78キロ。右投げ右打ち。17年から西武監督。

 

▽西武本田(今季5度目の先発も5回4失点で3敗目、初勝利を逃す)「初回、2本(本塁打を)打たれてしまい、その後開き直ることはできましたが、初回からしっかり投球できるようではないと先発投手としてはいけない」