<東京6大学野球:明大9-0東大>◇第4週第1日◇9日◇神宮

11日のドラフト会議を前に最後の週末となった8日、各大学リーグで指名候補たちが躍動した。視察に訪れたスカウト陣の前で、投打にアピール。東京6大学では明大・丸山和郁外野手(4年=前橋育英)がリーグ戦初本塁打を放った。

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丸山はインハイ140キロにくるりと回転した。5-0の8回2死二塁、東大・松岡由の初球を右越えへ放り込んだ。4年秋で初の1発。しっかり引っ張った当たりに「試合では引っ張れないと思われてるかも知れませんが、今朝の練習でもいい打球が出てました。打てるかな、というのはありました」と取り組みの成果を強調。5回には、左翼線二塁打で相手の中継ミスの間に一気に三塁へ。「迷いはなかった」と持ち味の足と判断力もアピールした。

もっとも、試合後の会見では硬い表情を崩さなかった。試合の朝はグラウンド脇の島岡元監督の胸像にあいさつするのが恒例。その際、田中武宏監督(60)から「(球場の外に)落ちてたぞ」とボールを渡された。前日の片付けが行き届いてなかった。「引き締めるようにと、チーム全員に言いました」と主将の責任を痛感。必死にプレーした。

50メートル走5秒8の足で、中堅手として大学球界屈指の守備範囲を誇る。ドラフト前に打撃でも見せたが「明治が優勝することだけしか考えてません。特別なことはないです」と口元を引き締めた。その思いの途上に「10・11」がある。【古川真弥】

▽広島苑田スカウト統括部長(ネット裏で視察)「(丸山の5回の三進は)足と瞬時の判断。行けない人は行けない。(先発竹田は)今日が一番良かった。下が粘れて、肩が開かない」