ロッテに育成ドラフト2位で指名されたBC・富山の速水将大内野手(20=至学館大短大)が夢への第1歩に武者震いした。

「まさか呼ばれると思いませんでした。体がすごく熱くなった」。右投げ右打ちで俊足が光るプレーヤーは、ついに夢の舞台へと向かう。

縁のある球団だという。野球を始めた小学生の頃、偶然見た、テレビの野球中継にくぎづけになった。映っていた選手は快足と好守で鳴らしていた。「僕の目標で小坂さんがいて。守備もうまい。守備の動画をYouTubeで何度も見ています」。愛知出身だが、機敏に動く小柄なロッテの選手を目で追ってきた。97年新人王で、盗塁王2回やゴールデングラブ賞4回を誇る小坂誠(現育成守備走塁コーチ)に憧れてきた。

「守備力や一塁到達タイムが自分の売りです。最初は支配下を目指し、いずれは1軍で試合に出たい」

一塁到達タイムは3秒9台だ。1軍でも、トップクラスのスピードを武器にする。プロ入りし、韋駄天(いだてん)の系譜に連なりたいところだ。小坂コーチだけでなく、足のスペシャリストとして活躍する和田康士朗外野手(22)もBC・富山から17年育成ドラフト1位でロッテ入りした。後を追う速水は「同じチームですが遠い存在でした。でも(プロ入りして)遠すぎず、可能性がある」と気合を込める。174センチ、67キロと大きくない。しかも、異色の短大出身プレーヤーだ。型にとらわれず、自分だけの道を歩み、ついにここまでたどり着いた。【酒井俊作】