首位オリックスが2位ロッテに51年ぶりの優勝マジック9の点灯を許し、自力Vが消滅した。2年目の宮城大弥投手(20)が、19年ドラフト1位対決となった佐々木朗希投手(19)との投げ合いに敗れ、自己ワースト5失点で5回KO。打線も佐々木朗に6回0封されるなど、最後の直接対決で痛恨の2連敗を喫した。25年ぶりの優勝をかけ、残り7試合に全力を尽くす。

   ◇   ◇   ◇

「令和の怪物」佐々木朗との投げ合いは、5回で幕が下りた。先にマウンドを降りたのは、12勝左腕の宮城だった。満を持した中12日で大一番に投入されたが、自己ワーストとなる5点を失い、5回8安打100球で降板。「ここが一番大事なゲームというところで、全然投げることができなくて。申し訳ないです、ということしかありません」と肩を落とした。

8勝1敗と圧倒的に勝っていたころの「神様、仏様、宮城様」の似顔絵入りタオルを掲げ、スタンドでファンが祈っていた。だが、初回1死一塁からマーティンに四球を与え、レアード、エチェバリアにつかまった。3点を失い、2、3回も追加点を奪われた。

12球団最速2桁勝利を挙げるなど、10代左腕の記録を次々に塗り替えていたころ。謙虚で愛らしい普段とは裏腹、マウンドでは相手打者を見下ろした。150キロ超の快速球に、100キロに満たない超スローカーブ。姿勢、投球術両面のギャップで相手を封じ、チームの躍進を支えた。その底力が必要だった天王山で、2位ロッテに優勝マジック9の点灯を許してしまった。

中嶋監督は「しょうがないですよね。どのピッチャーでも、重圧は誰にでもかかるわけですから」と、宮城を思いやった。その上で「ああだ、こうだ言っても残り数試合。1打席、1球でも早く自分たちの野球を取り戻さないと。1つ1つやっていけば、また流れが来るのかな」とチームに前を向かせた。ロッテとの最後の直接対決で痛恨の2連敗を喫したが、まだ0・5差をつけ首位にいる。連敗を止め、まずは自力優勝を復活させる。【堀まどか】

【関連記事】オリックスーロッテ詳細ライブスコア