ソフトバンク小久保裕紀2軍監督(50)が11日、リチャード内野手(22)に1軍完走指令を出した。宮崎キャンプで打撃練習を見守り「体の使い方は手を入れることがない。俺も努力したけど、努力しなくてもあんだけ飛ぶ。持って生まれたものは違う」と、あらためてポテンシャルを評価。来季について「俺の顔を見ない。シーズン入ったら俺の顔を見るなと言いたい。俺の顔を見ずに1年を終えろと言いたい」と、熱い言葉でハッパをかけた。

藤本博史監督(58)は、現時点でのレギュラー確定は捕手の甲斐、左翼手の栗原、右翼手の柳田のみと明言。ベテラン松田らと三塁を争うリチャードにも十分チャンスはある。

小久保2軍監督はリチャードと3つの約束をした。

<1>人より早く動く。「チンタラ走っているようなやつは使いにくい。体重は重たいけど、それだけの自主トレをしてきてほしい」。

<2>メモを取る。「昨日(10日)はミーティングに2分遅刻してメモを持ってこなかった。なかなかの大物です。我々の仕事は同じことを毎日言い続ける。根気です。根比べです」。

<3>全力疾走する。「凡退した時の駆け抜けた姿が1番良い。それは(野球を)辞めるまで続けること」。 荒削りな一面もあるが、持っている力を認めているからこそ、小久保2軍監督は見捨てない。リチャードも「貢献したい。どんな形でも。どこででも貢献したいと思います」と、1軍への強い思いを持つ。将来の大砲候補が、宮崎で牙を研いでいる。【只松憲】

◆今季のリチャード 9月2日にプロ4年目で1軍初昇格。同4日のオリックス戦(ペイペイドーム)でプロ初安打を放つと、翌5日にはプロ初アーチを逆転満塁弾で飾るなど、2本塁打6打点と活躍した。その後もシーズン終了まで1軍に同行し、34試合で打率1割8分1厘、7本塁打、20打点。一塁で10試合、三塁で21試合の先発出場で、代打出場が2試合、守備からの出場が1試合だった。