全国の高校野球OB・OGが出身校別に同窓会チームを結成して対戦する「マスターズリーグ甲子園」が4日、甲子園球場で開幕し、大会1日目として5試合が行われた。

第2試合目は、能代(秋田)-御所実(奈良)の対戦で、能代OBで阪急ブレーブスのエース、通算284勝をあげた元中日監督・山田久志さん(72)が先発し、現役時代をほうふつとさせる華麗なアンダースローで打者1人を抑えた。

「やはりプレーボールがかかった直後に投げるマウンドは気持ちが良いですね。最初は1球でいいと言ってたんですが、つい1人を投げきってしまいました。なにより母校の校歌を聞けたのはうれしかったし、何年たっても覚えてるもんですね」

冬晴れの甲子園でマウンドに上がった山田さんが対戦した御所実OBは、86歳で左打者の高橋寛さんだった。阪急時代と同じ背番号17をつけて、ゆっくりとふりかぶった。

初球はボールで様子をみると、2球目はストレートでカウントを整えた。1-1。3球目は高めのつり球で空振り、1-2からの4球目もバットに空を切らせた。球速は84キロだった。

山田さんにとって能代高2年の夏が甲子園出場のチャンスだったが、3回戦で強豪校の金足農に1対2でサヨナラ負けを喫した。山田さんは「2番三塁」だった。

その後、能代高の太田久監督は、山田さんを野手から投手に転向させる。甲子園出場とは無縁だったが、これが“史上最強のサブマリン”にのし上がっていくターニングポイントだった。

能代OBからは、オリックス時代のVメンバーだった高橋功一さん(50)も登板し、1イニングを無失点で抑えた。「この年になってわくわくしていました」。また函館大有斗OBで元阪急投手の佐藤義則さん(66)も駆けつけて楽しんだ。

熱投を演じてスタンドから喝采を浴びた山田さんは「こういう大会があるのを知らなかった。後輩から案内を受けてきましたが、ふるさとを思い出したし、世代は違えど同じ能代のユニホームにソデを通した野球人。また参加させていただきたいですね」と再登板を志願した。