山本昌さんは「球界のレジェンド」と呼ばれる。

14年2月のソチ冬季五輪。スキージャンプで41歳だった葛西紀明が2つのメダルを獲得した。海外メディアは敬意を込めて「レジェンド葛西」と呼ぶようになっていた。そこから、球界では山本昌、ゴルフは青木功、サッカーは三浦知良…と派生。第一線で活躍する大ベテランへの呼称となった。いわば異名での「殿堂入り」だ。

彼らは互いにエールを送るようになり、49歳シーズンを迎えるところだった山本さんも意気に感じていた。「自分が頑張れば『レジェンド』が流行語になるかもしれない」と奮闘。この年、プロ野球最年長登板、最年長勝利を挙げ、ワードの浸透を後押し。見事、年末に「レジェンド」は流行語大賞を受賞した。代表者は葛西だったが、青木と山本昌が表彰式に招かれた。

ちなみに、それまでは「球界のシーラカンス」と自らを称していたが「球界のレジェンド」の呼称が定着した。

◆山本昌(やまもと・まさ) 本名・山本昌広(やまもと・まさひろ)。1965年(昭40)8月11日生まれ、神奈川県茅ケ崎市出身。日大藤沢から83年ドラフト5位で中日入団。最多勝3度、最優秀防御率1度、最多奪三振1度、ベストナイン2度。94年沢村賞。06年に史上最年長の41歳で無安打無得点。08年通算200勝。15年にプロ野球史上初の50歳での登板、出場を果たし、同年に現役引退。49歳で勝利、45歳での完投、完封といった年長記録のほか、実働29年、23年連続勝利もプロ野球タイ記録。通算219勝は球団史上最多。95年までの登録名は「山本昌広」。現在は野球評論家。左投げ左打ち。