オミクロン株によるコロナ禍でのキャンプの形が見えてきた。日本野球機構(NPB)と12球団は24日、臨時12球団代表者会議を開き、策定済みのキャンプガイドラインの修正点などを確認した。

スクリーニング検査を週1回から2回に増やす。陽性者が出た場合は、NPB独自に幅広く濃厚接触者を判定して隔離。2回のPCR検査をクリアすれば、隔離から6日後に復帰可能とする。

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オミクロン株によるコロナ禍でのキャンプ実施へ、検査体制の強化が決まった。選手・スタッフらはキャンプ地に入る前に検査を受け、キャンプ地でも週2回のスクリーニング検査を継続する。策定済みのガイドラインでは週1回とされていたが、頻度を倍に増やす。検査の種類はPCR検査および抗原定量検査など、保健所などの確定診断につながる検査を原則とする。

濃厚接触者についても定めた。感染の急拡大により、各地の保健所は多忙を極めている。そこで、陽性者が出た場合は、NPB独自に幅広く濃厚接触者を判定。保健所の調査の場合は感染発覚から48時間前までさかのぼるが、72時間前まで広げ、接触の有無や行動記録を調べる。濃厚接触者がいれば隔離する。

復帰までのプロセスは、こうだ。隔離開始日を0日とし、3日目と5日目にPCR検査を実施。どちらも陰性となれば、6日目から復帰する。その間に保健所から濃厚接触者と判定されれば、現状ルール通り10日間の隔離とする。独自ルールの方が短いのは、オミクロン株の潜伏期間などに基づく専門家の意見に沿った。それでも、6日の隔離となれば、調整への影響は大きい。

自主トレ中の選手の感染事例が続いている。午前中に行われたJリーグとの新型コロナウイルス対策連絡会議では、専門家から、自主トレで球団の管理から離れることによる油断を指摘する声も聞かれた。会食やマスクを外しての会話のリスクも指摘された。愛知医科大教授の三鴨広繁氏は「感染者をゼロにすることは多分できないと思う。できるだけ少なくして何とか(キャンプを)できないか」と現実を直視した意見を述べた。まん延防止等重点措置の中、キャンプは2万人以下の有観客で行われる。チームと観客の動線を明確に分けることも決まった。コロナ禍で、どこまでリスクを減らせるか。対策を重ねる。【古川真弥】

◆まん延防止等重点措置 緊急事態宣言に至る前に感染拡大を抑えるため、新型コロナウイルス対応の改正特別措置法で新設された措置。感染状況や医療への負荷などを考慮し、専門家で構成する諮問委員会の意見を踏まえて首相が対象地域と期間を定める。不要不急の都道府県間の移動自粛や観衆2万人を上限としたイベント開催制限、飲食店の営業制限などが主な内容。