世田谷西が、東川一真(いっしん、3年)の完封劇で、強豪武蔵府中を下してベスト8に進んだ。

初回に1点をもらった東川は「今日はシュートがよかった」と相手打線を封じた。特に、ピンチを背負った時の投球がよく、2回1死一塁を併殺で切り抜け、3回の1死二、三塁では三振を奪って2死として無失点。4回には1死満塁で併殺と、ギアを上げての力投。味方打線の5点の援護もあった。最終回は2死後、最後の打者は球数制限でアウトにしないと交代という場面で「外のまっすぐで三振を取りたいと思った」という通りの投球で三振に切り、完封を達成した。

吉田昌弘監督が「まさかの快投。これだけ投げたのは初めてです。体が大きい投手はロマンがあるので『ロマン枠』で投げさせたんですが(笑い)。陰の努力も知っているので、これから投手をやっていくに当たって、この日がきっかけになってくれたら」とほめた。

190センチ、100キロと体に恵まれている東川は、毎日父と一緒にキャッチボールからランニング、羽打ちなどを地道にこなしているという。「投手は一番注目されるので楽しいです」と、自信をつけた様子だった。