ロッテ松川虎生捕手(18)の24日のオリックス戦での振る舞いに、恩師の市和歌山・半田真一監督(42)が25日、感嘆の声を上げた。佐々木朗に詰め寄る白井球審を途中で止める所作に「試合の中で、投手を守る気持ちが素直に出たシーンだなと。素晴らしかったんじゃないでしょうか」と教え子をたたえた。

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後ろにいた白井球審が横を通り過ぎると、わずか2歩後に松川も追った。そのシーンは動画で見た。「突発的、瞬間的だったのかなと思います。何が起きたかは分からないですが、普通なら立ってぼうぜん、だと思うんです。それが自然に。朗希さんを守らなきゃ、というのが自然に出た行動じゃないのかな」。松川が球審と何を話したのかも「すごく気になりますよね」とし「たぶん彼の性格だったら『今のボールっす、ボールっす』とかだと思うんですよね」と推察した。

「路線を整えたことはないです」と高校3年間を回想する。入学直後に「もう辞めたい」と意思表示した生徒がいた。「あの時も松川は、こっちが言わなくても、献身的に電話したり、その子の家に行ってしゃべって励ましたり」。その生徒は3年間、野球部員としてやり遂げたという。

プロ入りしても変わらぬ教え子の姿を喜ぶ。「堂々としてますよね。プロ1年目とか、そういう意識がないと思うんです、あいつ。プロの世界でやる前提で、ずっと野球をやっていたので」。想像を超える存在感の大きさに、恩師は誇らしげだった。【金子真仁】