ベイスターズ史上、最高の二遊間への夢を抱かせる2人が、満員のスタンドを沸かせた。

DeNA牧秀悟内野手(24)が、2戦連発の15号3ランを含む2安打5打点の活躍。打点、打率のリーグ2冠に立ち、本塁打もリーグトップに1差と「3冠王」を視野に入れた。代打で出場した森敬斗内野手(20)は今季初打席で初安打を放ち、二盗も成功し、決勝のホームに生還。“モリマキ”が躍動し、土日の試合での連敗を12で止めた。

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歓喜に沸いた98年の日本一から24年。夢を抱かせる若き二遊間が、横浜スタジアムに詰め掛けたスタンドのファンを歓喜させた。同点の7回。ケガから1軍合流2戦目の森が代打でコールされた。「ワーッと盛り上がってくれて、うれしかった」。今季初打席で初安打を放つと、初球に二盗を決め、佐野の適時二塁打で決勝のホームを踏んだ。

20歳の遊撃手が盛り上げた球場のボルテージを最高潮に押し上げたのは、4番の牧だった。なおも1死一、三塁から楽天宋家豪の初球のスライダーを強振。「最高の結果になり、うれしいです」と2戦連発の15号3ランを右翼ポール際へと運んだ。1回の犠飛を含む4打点目でヤクルト村上の45打点に並び、8回の中前適時打でリーグ単独トップに浮上した。

打率3割2分3厘、46打点ともにリーグトップで、本塁打はトップのヤクルト村上、巨人岡本和に1本差に迫った。日に日に高まる期待。令和初の「3冠王」への可能性を誰よりも強く信じるのは、プロ2年目で4番に起用した指揮官だった。

三浦監督 取るでしょ。それだけのものを持っていますし、マークされた中であれだけの活躍をしてますから、大丈夫でしょう。

「マシンガン打線」と称された98年。二遊間を守ったのは、通算2432安打で盗塁王4度の石井琢朗(野手総合コーチ)と「横浜史上最強助っ人」と称賛されたローズだった。19年ドラフト1位の森は左打ちでスピードも売りの遊撃手。牧は右打ちで勝負強く、巧打者タイプの二塁手。ファンを熱狂させた二遊間を連想させる。

当時、先発の柱だった三浦監督は「偉大な大先輩がいますけど、それぐらい期待を抱かせてくれる選手ですし、それだけのものを持っている」と壮大な未来予想図を描いた。4月17日の日曜日のヤクルト戦から続いた土日の連敗を12でストップ。勝利の喜びとともに、ファンの胸に大きな希望を抱かせた。【久保賢吾】

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◆森敬斗(もり・けいと)2002年(平14)1月28日生まれ、静岡市出身。桐蔭学園では1年夏から公式戦出場。3年春にセンバツ出場も、1回戦敗退。19年のU18W杯では佐々木朗希、奥川恭伸、石川昂弥らとともにメンバー入り。同年ドラフト1位でDeNA入団。20年10月27日巨人戦で1軍デビューし、初打席で初安打。今季推定年俸1350万円。177センチ、78キロ。右投げ左打ち。