4番のグランドスラムで11カード連続勝ち越しだ! ヤクルト村上宗隆内野手(22)が1回に今季4本目の満塁弾となる22号本塁打を放ち、チームを大勝に導いた。8回にも23号2ランを打つなど4安打6打点の大暴れ。高梨裕稔投手(31)は自身5年ぶりの完封で5勝目を挙げ、投打で中日を圧倒した。2位巨人がDeNAに敗れ、6月に早くも10ゲーム差が開いた。

   ◇   ◇   ◇

泳ぎながらも広いバンテリンドームの柵を越えた。ヤクルト村上は無死満塁で迎えた1回、フルカウントから中日岡野のフォークを捉えた。低い弾道を描いた打球が右翼席に突き刺さる。「四球でも1点入るので勝負してくるだろうというところ。先制のチャンスだったので先に取りたかった。入ってくれて良かったです」と振り返った。

今季は5月6、7日の巨人戦、6月11日のソフトバンク戦でも満塁本塁打を放った。22本中4本がグランドスラムという驚異的な量産率。まだシーズンは折り返してもいない。3本の時点で既に球団記録だった。50年に中日西沢がマークした1シーズン5発の日本記録まで、6月時点で早くもあと1に迫った。

快音は止まらない。3回に右前打、7回には右二塁打。8回の第5打席は三塁打すればサイクル達成だったが「全然気付いてなかったです」。三塁打どころか、1試合2発となる23号2ランでダメ押しの10点目を加えた。

またこの日で、4番として331試合連続で先発出場。ラミレス氏の球団記録に並んだ。2軍監督時代から村上を指揮する高津監督は「僕は彼が入ってきた時から、2軍の時から1度も4番を外したことがないので、当たり前のようには感じますけど。強い体、強い精神力を持って出続ける難しさは本人しか分からない。素晴らしいこと」とたたえた。

チームは11カード連続勝ち越しで、2位巨人に10ゲーム差と首位を独走する。村上も23本塁打、62打点とセ・リーグ打撃成績2冠で他の追随を許さない。「そこに関しては今じゃなく、終わった時に考えればいいこと。まだまだですね、これからもっともっと(4番で)たくさん試合に出て頑張りたい」。24日からは巨人戦が待つ。強いヤクルト。その中心に、今日も強い村上がいる。【鎌田良美】

▽ヤクルト山田(4-0の4回2死満塁で走者一掃の3点二塁打)「打ったのはスライダーです。追加点がほしい場面だったので、追加点が取れる打撃ができて良かったです」

▼4番の村上が初回に満塁弾。村上の満塁本塁打は5月6、7日巨人戦、6月11日ソフトバンク戦に次いで今季4本目。満塁本塁打をシーズン4度以上打ったのは19年中村(西武)以来、プロ野球9度目(8人)。また、村上は昨年9月21日DeNA戦でも4番で初回に満塁弾。初回4番打者の満塁本塁打を2度記録したのは原(巨人)中村(西武)に次いで3人目。2年連続は村上が初めてだ。

▼村上の満塁本塁打は通算7本目。ヤクルトで満塁本塁打7本は池山10本、山田9本に次ぎ、ラミレス、畠山の7本に並んで球団3位タイ。

【関連記事】ヤクルトニュース一覧