広島が勝機を手繰り寄せながら、白星は手中にできなかった。3-2の9回、プロ初の3連投となった栗林が2死二塁から近本に右前打を打たれて同点に。延長10回は2死一塁から菊池涼の左翼線を破る当たりで代走中村奨が三塁を蹴ったところで足がもつれて本塁手前で転倒。サヨナラのチャンスを逃した。延長12回2死満塁から、菊池涼が打ち上げた左翼後方への飛球も、背走した島田のグラブに収まった。2戦連続延長戦は、今季3度目の引き分けで痛み分けに終わった。

守護神が失点したものの、佐々岡監督はバトンをつないだ7投手をたたえた。「引き分けに持ち込めたのは、中継ぎが頑張ってくれたから。中継ぎがしっかりと試合を締めたというのは、いい引き分けと捉えたい」。開幕戦から阪神戦負けなしは継続。88年以来34年ぶりとなる阪神戦開幕10連勝は、持ち越しとなった。

○…今季初めて1番に起用された上本が同点適時三塁打を放った。2点を追う5回2死二、三塁。左中間への適時三塁打で走者2人をかえし、同点とした。「アンディー(アンダーソン)が粘って投げていたし、(中村)健人と羽月がつないでチャンスをつくってくれた。なんとかランナーをかえせて、良かった」。前日右太ももに死球を受け、ベンチスタートだった野間に代わっての1番。代役として役目を果たした。

○…プロ初の3連投となった栗林は1回1失点でセーブ機会を失敗した。1点リードの9回に登板。先頭の梅野を内野安打で出塁させた。犠打で得点圏に走者が進塁。三振で2死としたが、2死二塁カウント2-2から近本に右前適時打を放たれ、追いつかれた。2年目にして初めて3連投を解禁。勝利まであと1球も、失敗に終わった。

○…堂林が代打4号ソロを放った。2-2の7回。先頭持丸の代打として出場し、阪神岩貞の浮いたスライダーをバットに乗せた。角度よく上がった打球は左中間席に吸い込まれる勝ち越し弾となった。「イニング先頭の代打だったので、何とか塁に出ようと必死にいきました。最高の結果になりました」。9回に同点に追いつかれ決勝弾とはならなかったが、今季代打成功率3割3分3厘と勝負強さが光る。

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