プロ野球の斉藤惇コミッショナーは19日、個人的な考えとして、今後も新型コロナウイルス感染者の数が増えていっても、入場制限や試合開催の制限は行わない方針を示した。

Jリーグとの新型コロナウイルス対策連絡会議後に会見。1日当たりの感染者数が急増している状況を踏まえ、質問に答えた。

まず、アメリカの状況について言及した。

「アメリカはいろんな説があるが、かなり検査をしなくなっている。感染者が増えてはいると言われるが、前のような増え方をしなくなっているように見える。州によって違うんですけど。少し推測ですけど、経済状況が非常に悪化してきているので、あえて政府は規制をやらないようにしていると思う。つまり、経済を優先している。その背景に、BA.5を中心に、どうも重症化しないと。重症化しなければ、1週間、10日ぐらいで治る病気だとして、規制をしないようにしようということで、経済を保とうという考えでアメリカはやっていると思う」。

続いて、集団免疫について触れた。

「これが、どれぐらいそれで持つかということはあるんですけど、集団免疫の話が相当、出てきている。ワクチンを打った人、かかった人でアメリカは8割ぐらい超えてきている。集団免疫が発生するのではないかということもあるようです。日本の場合は、そこまで、あまりかかった人が海外に比べると少ないわけですね。それから、ワクチンも3回目(の接種率)が60数%ですか。ということで、集団免疫には遠いということで、実際には、本当に、ものすごく増えてきて、(1日の新規)感染者20万を超えることも予想の中に入ってきてますが」。

「そうなったとき、どうするかですが」として、「私の個人的な考え」を次の通り述べた。

「選手をどうするかが非常に重要。結局、選手がかかると、やれない。選手がまず問題で、お客さんの問題は社会の問題とつながっているわけで。当然、政府、自治体とも話さないといけないが、私は個人的にはそこを規制する必要はないんじゃないかと思っている。お金のために、病気を広がらせていいのかという、当然、反論はあること重々承知の上ですが、そういう考え方ではなくて、社会構造をどう保つか、非常に重要だと思う。経済だけじゃなくて。そういう意味で、病気が重症化すれば、あるいは病院の状況が耐えられなくなれば、それは考えられるが、今の状況で病室がなんとか保てる、あるいは重症化が少ないということであれば、お客さんは入れたままでやらせていただきたいと考えています」

コミッショナーとして、選手の感染拡大を防ぐことに尽力すると強調した。さらに、プロ野球興行、スポーツ観戦という社会構造を保つためにも、入場規制等は必要ないという考えを明確に訴えた。