巨人キラーを猛虎史に刻む! 阪神伊藤将司投手(26)が球団初の偉業に臨む。3日巨人戦(東京ドーム)の先発見込みの2年目左腕は、今季登板した巨人戦2試合でいずれも完封。3試合連続完封となれば、村山実も江夏豊もなし得ていない快挙だ。炎天下の甲子園でダッシュメニューやブルペン投球などで準備を整えた左腕は、「必死に投げた中で、そうやって結果が出たらいいなと思います」と静かに闘志を燃やした。

夢物語ではない。前半戦は7勝2敗で防御率1・87の安定感。4月12日にコロナ陽性判定を受けて復帰まで1カ月以上要したが、マウンドに戻ってからは白星を量産している。6月5日の日本ハム戦で2勝目をつかんでからは6連勝中と勢いが止まらない。「去年はこの時期にバテて、いい結果になってなかった。今年はいい感じにバテずに、調子上がってきてる」。順位争い佳境のシーズン終盤に向け、上昇カーブを描いている実感がある。昨年5試合で1勝3敗だった巨人戦も、今季は18イニング無失点で完全に克服した。

高校野球界の名門横浜の出身。今夏、後輩たちは決勝でライバル東海大相模を破って甲子園切符をもぎ取った。伊藤将も9回1-0サヨナラ勝ちの大激戦に感動。「神奈川は横高対相模が一番盛り上がるので。伝統ある試合だと思います」と刺激をもらった。プロ野球界の「伝統の一戦」と言えば阪神-巨人戦。野球ファンから最も注目を浴びる試合で、背番号27が三たび躍動する。【桝井聡】

▼巨人戦の3試合連続完封は、1リーグ時代を含め2人しかいない。平松政次(大洋)の70年5月31日、7月12日、同24日と、ブロス(ヤクルト)の95年8月19日、9月9日、同30日。伊藤将が達成すれば阪神の投手では初で、左腕では球界初となる。

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