久しく遠ざかっていた気持ちいい感触だった。西武中村剛也内野手(38)が5号先制2ランを放った。通算447号は、5月14日楽天戦以来、約2カ月半ぶりのアーチだった。

0-0の4回無死一塁。カウント2-1からの4球目だった。オリックス山崎福の143キロはホームベースの真ん中に吸いこまれてきた。絶好球を捉えきった。快音を残した打球は中村らしく、高々と放物線を描いた。両手に残る感触は十分。左中間に伸びていく打球を見つめ、確信歩きだった。待ち望んでいたファンの大歓声と拍手を全身で受け止めながら、ダイヤモンドをゆっくり1周した。

「打ててよかったです」。そう納得の表情だった。15日には39歳となる。若い頃のようには、簡単にホームランを打てなくなったと感じる時もある。1発から遠ざかった2カ月半、フェンス直撃の打球はあった。ただ、この日は、しっかりスタンドまで届いた。ベンチに戻ると、栗山からは「よう打った!」。同期入団、同じく21年目の盟友からも祝福された。うれしそうに笑った。

5月は4発を放ち、開幕直後の不振から脱却の兆しを見せた。しかし、6月5日ヤクルト戦で右手親指を痛め、登録抹消。復帰後も7月は49打数8安打の打率1割6分3厘など波に乗れなかった。しかし、1本出れば、せきを切るように打ち始めるのが中村。だからこそ猛打爆発の夏となる期待は、これから一気に高まってくる。【上田悠太】

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