首位ソフトバンクが2位オリックスとの天王山3連戦で、屈辱の3連敗を喫した。9回に守護神のリバン・モイネロ投手(26)が同点打を浴びてセーブ失敗。延長10回には10番手のコリン・レイ投手(32)がサヨナラ打を浴びた。優勝マジック「9」は3日連続で減らせず、2位オリックスとは0ゲーム差。残り10試合、しのぎを削る戦いが続く。

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4時間47分の死闘で、首位ソフトバンクが散った。5-5の延長10回2死満塁。この日10番手で登板したレイが、宗にサヨナラの中前打を浴びた。ナインはうつむきながら、左翼スタンドに陣取る鷹党に頭を下げた。「気合入れろ!」という男性ファンの叫びが、京セラドーム大阪にむなしく響いた。

勝てたはずだった。4点差を逆転し、1点リードで9回に守護神モイネロを投入。試合前時点で防御率0・77の左腕に託したが、2死一、二塁で吉田正に初球スライダーを弾かれた。同点の右前打。12試合ぶりの失点で、まさかのセーブ失敗。逃げ切れず、延長10回に力尽きた。

藤本博史監督(58)は、淡々と話した。「(モイネロは)あと1人やったけどね。まぁそれまではずっと抑えてきてるから。人間だからミスもあるけど、痛いミスだった」。この日は「総力戦」と宣言し、投手、野手合計23人を出場させた。だが、結末は無情だった。地獄の11連戦の10戦目。疲労感だけが残った。

6連勝で乗り込んだ大阪で、2位オリックスに屈した。初戦は相手エース山本の前に完封負けし、2戦目も力なく0封負け。天王山とも言える直接対決で、まさかの3タテを食らった。ロッテが敗れて優勝マジックの消滅は免れたが、3日連続でマジック「9」を減らせず。勝率1厘差で首位はキープしたが、オリックスにゲーム差「0」に迫られた。再び混パに逆戻り。指揮官は「ほんまにいつも言うけど、切り替えていくしかないですよね」と、自身を納得させるかのように言葉を絞り出した。

11連戦の最終戦は、敵地札幌ドームでの日本ハム戦。負ければ首位陥落の可能性もある。残り10試合。正念場が続く。【只松憲】

◆ソフトバンクのマジック 20日にも消滅する可能性がある。20日に消える条件はソフトバンクが日本ハムに●で、楽天が西武に○か△、またはロッテがオリックスに○か△。

▼ソフトバンクは10投手を起用も黒星。1試合で投手10人が登板したのは、13年9月4日日本ハム戦のソフトバンク以来、2リーグ制後では5度目のタイ記録。10投手リレーで敗れたのは、74年9月29日南海戦の日本ハム以来48年ぶりだった。

○…先発東浜が3回途中4失点KOされた。初回に吉田正に先制の19号2ランを献上。3回には先頭福田から長短4連打で2点を失うと45球で交代指令。「大事な試合の先発マウンドを任された意味をしっかりと考えてマウンドに上がりましたが、期待に応えることができなかった」。連敗阻止に向け意気込んだマウンドだったが、結果を残せなかった。打線は4点差をはね返したものの、終わってみれば延長10回サヨナラ負け。「すみません」と、うなだれるしかなかった。

○…今宮は今季13度目の猛打賞と気を吐いた。4回の右前打、6回の左中間二塁打はいずれも得点に直結。打率も3割に乗せた。チームは痛恨の3連敗を喫し「打席ではいい感覚でスイングすることができていると思います。チームは連敗してしまいましたが、仕切り直してやっていくだけです」と切り替えた。

▽ソフトバンク中村晃(6回無死満塁で代打で右前適時打)「昨日(18日)のゲームの代打出場では凡退してしまったので、やり返す気持ちで打席に入りました。とにかくチャンスで期待に応えることができて良かったです」

▽ソフトバンク森(3回無死一、三塁から登板し、火消しに成功)「難しい場面ではありましたが、良い投球ができたと思います。明日も試合があるので、全員で勝ちに行きたい。頑張ります」

▽ソフトバンク藤井(8回に登板し、3者連続三振。20ホールド目)「自分が出来ることをこれからも続けていくだけです。明日からも自分の投球ができるように頑張ります」

◆欠場 ソフトバンクのアルフレド・デスパイネ外野手(36)が、左肩痛のためオリックス25回戦(京セラドーム大阪)を欠場した。試合前練習には参加もが、大事を取った模様。20日の日本ハム戦(札幌ドーム)には同行する。