言葉は北海道、心はタテジマで-。阪神が25日、東海大札幌高でドラフト2位指名のMAX150キロ左腕・門別啓人投手(18)に指名あいさつした。球団関係者と初対面した門別は、球速160キロと新人王、元阪神の上田二朗投手(75)を目標に設定。左腕の江夏豊氏(74)との2枚看板で通算92勝を挙げた往年の右腕エースに匹敵する活躍を誓った。

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宮脇編成ディレクターら、阪神の球団関係者と初めて顔を合わせた門別の表情は晴れやかだった。ドラフト2位指名から5日。「今まで実感がなかったですが、こうしてあいさつをしていただいて実感がわいてきたというか、『プロ野球選手になれるんだな』という気持ちが一番ありました」。記者会見の冒頭で、率直な気持ちを口にした。

目標を問われると、最初に出てきた名前は、系列の東海大出身で元阪神の右腕・上田氏だった。「実際に見たことはないんですけど、昔の記事を読んで、『すごい』と思いました」。大学時代に星野仙一投手に投げ勝ち、阪神入団初年度から先発で活躍した名投手を手本に「球団、日本を代表する左ピッチャーになりたい」と宣言した。

畑山統括スカウトは「近い将来、ローテーションピッチャーとして投げてもらえる存在」と、阪神が56年ぶりに指名した北海道の高校生を高く評価。担当の葛西スカウトも「(元阪神の左腕)井川くんみたいに、チームの中心になってくれたら」と期待を寄せた。

1年秋に背番号1を背負い、球速も最高150キロまで伸びたが、甲子園出場は果たせなかった。「関西は知らないところ」と不安もある。それでも「北海道の選手とわかるように、関西弁にならないように、(北海道弁で)貫き通します」と笑顔で誓った。【中島洋尚】

◆上田二朗(うえだ・じろう)1947年(昭22)7月6日生まれ、和歌山県出身。南部-東海大を経て69年ドラフト1位で阪神入り。サイドスローの技巧派として活躍。73年には22勝を挙げ、江夏24勝とともに現状ではNPB最後の同一球団20勝以上コンビとなった。79年オフに金銭トレードで南海(現ソフトバンク)移籍。82年シーズン中に再び金銭トレードで阪神に復帰し、同年引退した。通算361試合、92勝101敗3セーブ、防御率3・95。現役時代は176センチ、80キロ。右投げ右打ち。なお登録名は「二朗」のほか、77~78年は「次郎」、80年以降は「次朗」。引退後は数度にわたり阪神コーチを務めた。

 

◇門別啓人(もんべつ・けいと)

◆生まれ 2004年(平16)7月10日、北海道・日高町生まれ

◆球歴 日高町立富川小1年の時に富川野球スポーツ少年団で野球を始め、小6でファイターズジュニアに選出。富川中時代は学校の軟式野球部で1番・投手

◆高校時代 高1秋の札幌支部予選から背番号1でベンチ入り。高2秋の全道大会から高3夏の南北海道大会まで3季連続道大会4強

◆特技 バスケットボール、スピードスケート、アルペンスキーなどスポーツ全般

◆趣味 漫画

◆好きな選手 大谷翔平

◆得意教科 数学

◆苦手 蜘蛛(くも)

◆持ち球 直球、カーブ、スライダー、チェンジアップ、ツーシーム

◆性格 負けず嫌い。打撃練習でも隣の打者がホームランを放つと、自分も打つまで続ける。

◆遠投 100メートル

◆100メートル走 11秒8

◆背筋力 200キロ

◆血液型 A

◆サイズ 183センチ、86キロ

◆足のサイズ 29センチ

◆投打 左投げ左打ち

◆家族 両親

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