ソフトバンクドラフト3位指名を受けた、東北福祉大(仙台6大学野球)甲斐生海外野手(22=九州国際大付)が24日、仙台市内のホテルで入団交渉に臨み、契約金6000万円、年俸1000万円(金額は推定)で仮契約を結んだ。交渉後には帽子をかぶり、ユニホームにも初めて袖を通した。「いよいよプロの世界に入るんだなという気持ちです」と心境を明かした。

持ち味は豪快なスイングで放たれる飛距離だ。芯で捉えた打球は逆方向でも、伸びていく。長打力の部分において、東北福祉大史上歴代トップの呼び声もある。最後のリーグ戦となった4年秋に「最多本塁打」と「同打点」の打撃タイトル2冠を受賞。ラストイヤーに才能を開花させた。福山龍太郎アマスカウトチーフは「スイングがきれいで、タイミングの取り方に無駄がない。いかんなく飛距離を発揮してほしい」と期待を寄せた。

“名字ダブり”解消!? チームメートとなる甲斐拓也捕手(30)とは同姓で、甲斐野央投手(26)と「カイ」がチームに3選手となった。これではファンも困惑するかもしれず、登録名「生海(いくみ)」にすると決意した。「大学でも名前で呼ばれることが多かったのでなじみがあります。ファンの方にも名前で呼んでほしい」と笑顔でアピールした。

スラッガー原点は幼少期にさかのぼる。北九州出身で小学生の頃はホーム戦を毎年、1試合以上は観戦に行っていた。「平成唯一の3冠王」として知られる、松中信彦氏はスターの存在。目を輝かせていた記憶が懐かしい。「シーズン50本塁打を打ってホームラン王を取りたい」。大きな目標を胸に、憧れの舞台へ飛び込む。【佐藤究】