栗山ジャパン30人の陣容が固まった。担当記者が解説する。

 

第一印象は「非常に豪華」だ。昨年11月以降、大谷、ダルビッシュ、鈴木とメジャーリーガーが次々と参加を表明。栗山監督が招集を明言した吉田、ヌートバーをあわせた計5人は09年の第2回大会と並ぶ最多となった。米国での準決勝以降、入れ替わりでメッツ千賀が加わることも考えられる。最後に世界一となった第2回大会以来の頂点奪取へ、いやが上でも期待が高まる。

メジャーリーガーによって軸が定まったことで、脇を固めるメンバーに栗山監督の特色を出せたとみる。基本的には、昨年11月の強化試合で結果を出した選手が中心。佐々木朗、戸郷、高橋奎、高橋宏、宮城、大勢、湯浅、牧、中野らは代表実績に左右されることなく、現在地の力量や勢いを評価したのだろう。一方で、強化試合には呼ばなかった松井裕、栗林をリリーフに加えた。先発に比べ手薄感があった。特に左腕がおらず、松井裕は必須。東京五輪の胴上げ投手、栗林とともに必要なところは実績を信じた。

野手はポジションごとにバックアップが取れる体制となった。山川、岡本和と選考過程終盤で右の強打者を2枚も加えたのは、大谷、吉田、ヌートバーのメジャー3人に、おそらく4番である村上と左打者に偏っていた事情もあるだろう。

所属チームの登録でいうと、内野手8人に対し外野手は4人と少ない。ただ、周東は外野がメインのはず。それでも代走の役割が優先されるだろうから、試合終盤も吉田や近藤を守らせる想定は必要だ。本来ならヤクルト塩見か阪神近本を入れたかったと推測する。投手を15人にしたしわ寄せだろう。大会規則では投手は最低14人でよかった。だが、大谷は投手とはいえ二刀流。球数制限もあり、苦渋の選択で外野手を減らし、投手を15人に増やしたのではないか。前回大会までは登録人数が28人と今回より2人少なくても、投手は13人で臨んでいた。結果的に、2人増えた登録枠を、そのまま投手に充てた。

ラスト15人目で選ばれた投手は、宇田川だったか。1年前は育成の選手が世界一メンバーに-。栗山監督は大会をきっかけに若手の飛躍を望んでおり、活躍次第で象徴的な選手になれる。夢がある。【侍ジャパン担当=古川真弥】

◆侍ジャパン布陣◆ 【先発】ダルビッシュ有★ 大谷翔平★ 山本由伸★ 佐々木朗希★ 今永昇太★ 【第2先発】戸郷翔征★ 宮城大弥 高橋奎二 高橋宏斗 【中継ぎ】湯浅京己 伊藤大海 宇田川優希 松井裕樹 【中継ぎor抑え】大勢 栗林良吏 (大谷翔平) 【捕手】甲斐拓也★ 中村悠平 大城卓三 【内野手】牧秀悟★ 村上宗隆★ 源田壮亮★ 山川穂高 山田哲人 中野拓夢 岡本和真 【外野手】鈴木誠也★ 近藤健介★ 吉田正尚 ラース・ヌートバー 周東佑京  ※★は発表済み