湯浅あるぞ、侍でも守護神! 侍ジャパン栗山英樹監督(61)が23日、兵庫・西宮市内の阪神球団事務所を訪れ、岡田彰布監督(65)と対談した。

阪神の監督に就任したことの表敬訪問に加え、3月のWBCの情報共有も行われた。さらに侍の指揮官は、最終メンバーに内定している阪神の新守護神、湯浅京己投手(23)を抑えで起用する可能性があることを示唆した。

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午後1時前、侍ジャパン栗山監督が甲子園の阪神球団事務所に姿を現した。岡田監督と約20分の対談で、3月WBCの最終メンバーに内定している湯浅、中野の起用法などについての情報共有が行われた。栗山監督は「(岡田監督は)大先輩で、憧れの監督。僕がジャパンとか関係なく、(阪神の)監督になられて『きちんとごあいさつさせてください』と、それがメインで」と経緯を明かした。

栗山監督が日本ハムの監督1年目の12年に、オリックスの指揮官を務めていたのが岡田監督だった。「一緒に戦いながら、選手の使い方、戦術とかはすごく教わることが多い。あれだけ経験されている監督さんも日本にはほとんどいない」とリスペクト。また、「最初の年はすごく大事。チームを変えようとされる中で、(侍選出で)迷惑をかけてしまう。僕の気持ちも分かってもらえて受け止めてもらえた」。岡田監督は「大変やけど頑張ってくれ」と激励したという。

侍の指揮官は、阪神では今季守護神として起用される予定の湯浅について「空振りを取れる特殊球(フォーク)を持っている投手は必要。そういう選手であることは間違いない」とあらためて絶賛。さらに独立リーグを経て、故障を乗り越えてプロ4年目で花を咲かせた右腕に「すごく苦労してきた選手にはすごく魂を感じる。ここに『駆け上がってきたなぁ』っていう、見てて楽しいじゃないですか」と語気を強めた。「何かきっかけを作らせてあげたい。うまくいって一気に、『日本の抑え』っぽいところにパァーって走っていくみたいな」と、侍でも抑えで起用する可能性があることを示唆した。

侍の抑え候補としては、21年の東京五輪で守護神を務めた広島栗林や、楽天松井裕、巨人大勢らがいるが、昨季最優秀中継ぎのタイトルを獲得した湯浅の抜てきも十分に可能性がある。また、栗山監督は「(代表メンバーの)発表は26日」と明言。虎のシンデレラボーイが、「侍の守護神」として日本中を沸かせる日もそう遠くはなさそうだ。【古財稜明】

<侍ジャパン栗山監督の阪神湯浅語録>

◆22年7月7日(阪神-広島戦を視察)「今年本当にいいボールを投げていますし、いろんなことを経験してもらって。ここからどういう風になっていくのか本当に楽しみ」

◆22年10月9日(セCSファーストステージを視察)「大変な場面でも投げる喜びを全身で表現しているように見えた。俺の胸には刺さりました」

◆22年11月4日(侍ジャパンシリーズ2022前日練習で抑えについて)「この時期は疲れている投手を連投させたくない。逆に言えば、そういうチャンスがあったときに抑えでどういう姿になるのか見させてもらいたい」